Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

はたらく魔王さま! (15)

今日は「はたらく魔王さま!」の15巻です。

いきなり笹塚のアパートがもぬけの殻になっているシーンから始まるという急展開。真奥、芦屋、漆原、誰もいないし家財道具もありません。となると夜逃げかと思ってしまいましたが違います(笑)。で、メインと関係ない所を紹介してみると。

今回のテーマは幸福論かも。ライラのこの言葉。

その瞬間が本当に幸せだったかどうかなんて、通り過ぎて振り返ってみるまで分からないのよ。
(p.69)

その時に幸せだと思っていても後になってみたら…というのが現実では多いような気がします。ライラにとって幸せって何なんでしょうね。サリエルもこんなことを。

幸せなどというものは当人にしか感じられんものだということだ。
(p.83)

他の人が幸せかどうかなんてその人でないと分からん、という主張です。何かサリエルが急に悟っています。もっとも、キャラ的には天使なので悟っていてもおかしくないのですが、こんなセリフもあります。

大地と、空と、海と、思い動く己自身があれば、人は先に進める。
(p.84)

あなた人じゃないでしょ?

今日の一言、というかこれは成程と思いました。

全ての人間が不老不死を得れば、世界は崩壊するのだ。
(p.241)

この世界観が面白いですね。もっとも、個人的には大部分の人がいい所で自殺して安定するような気もします。


はたらく魔王さま! (15)
和ヶ原 聡司 著
029 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048657501