Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

はたらく魔王さま! 7

今日は「はたらく魔王さま!」の7巻です。この巻はショートストーリーが4編入っています。

「魔王、誠実な商売を改めて決意する」は悪徳商法の業者に返金させる話。アニメの中にもエピソードが出てきます。ひっかかる方が悪いような気がしてくるのが不思議です。「魔王、捨て猫を拾う」はそのまんま【謎】ですね。「魔王と勇者、お布団を買いに」は真奥と恵美がショッピングセンターまでアラス・ラムス用の布団を買いに行く話。魔王といえば女を常時侍らせているイメージなんですが、この二人は新婚みたいな感じです。

最後の「はたらく女子高生」は佐々木千穂がバイトを始める前の話です。千穂は高校生なので進学というイベントがあるのですが、特にどこに行きたいとか何になりたいとか、そういう夢がありません。今時の高校生です。

大学なんて、東大とか京大とか超有名大学以外は、父が正月に見ている駅伝で上位になるような名前しかぱっと思い浮かぶものが無い。
(p.229)

そういう感覚が普通じゃないかと思うのですが、高校生の半数が大学に行く時代。某掲示板を見ているとオリコンチャートみたいに大学の細かいランキングを作ろうとする投稿者続出でうんざりします。ちょっと順位を捏造する程度ならカワイイ話で済むのですが、〇〇大は東大を超えた、みたいな投稿をして恥ずかしくないというのが不思議です。本気でそう思っているのかもしれませんが。

千穂は真奥が勉強して必要な英会話をマスターした話を知って感動します。

一年後、何をするかは分からなくても、明日も一年後も、絶対に今日と同じ日ではないのだから、そのとき持っているものは多い方がいいに決まっている。
(p.320)

物理的な財とか持っていると、よくないモノを引き寄せたりしますが、内面的な財産なら何かの役には立つのではないかと。禅の教えはそうでもないと言ってますが。まあスキルは持っていても損はしないと思います。

てな感じで、今回の一言。

自分のために努力できないのに、人のために何かできるはずないもんね
(p.321)


はたらく魔王さま! 7
和ヶ原 聡司 著
029 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048914062