今日は「はたらく魔王さま!」の5巻。
この巻はざっくり言えばテレビを買う話(笑)です。このシリーズ、だんだん分かってきましたが、魔王と勇者のバトルとかじゃなくて、やはり東京の庶民生活の描写がメインなのですね。
京王線の急行列車は笹塚の次の代田橋を飛ばし、明大駅前へと向かう。
(p.71)
こんな感じでローカルな駅名とか地名が出てきます。今回は新宿でテレビを買うので新宿の描写が細かいです。
いつ来ても工事ばかりやっている南口正面を通る架橋道の下を抜け、新南口へと上がる階段を素通りし、そのまま正面にある高級百貨店、高島田屋の
(p.127)
新宿南口の工事は2021年現在修了しています。高島田屋は高島屋のこと。
高島田屋との間はエスカレーターで仕切られていて、一応同じ建物内にある施設ではあるのだが、そこには完全に別物の空間が広がっていた。
東急ハンド新宿店。
(pp.127-128)
東急ハンズのことです。高島屋との間は4列のエスカレーターがあって、特に1Fと2Fをつなぐエスカレーターは長くてビジュアルが壮観です。
ちなみに緊急事態宣言中、高島屋はBFから2Fまで生活必需品ということで営業、その他のフロアは休業していますが、ハンズは全フロア営業したので、高島屋との間のシャッターが閉まっていました。
色とりどりの鉱石や化石が販売されているフロア
(p.128)
鉱石などの売り場は最近縮小されたような気もしますが、新宿で石を買いたい場合は紀伊国屋書店が結構品揃えがいいです。
JR新宿駅西口改札前で待ち合わせた四人は、地下道を通って長距離バスターミナルの前にあるヨドガワバシカメラ
(p.131)
このバスターミナルは現在JR新宿新南口のバスタに移動していて、バスターミナルのあった場所はベンチが並んでいます。ヨドガワバシカメラは言うまでもなくヨドバシカメラ。
テレビを買う前に魔王と勇者一行は「まんまるうどん」に入りますが、これは「はなまるうどん」。
かけうどんの小サイズだけ一〇五円で、あとトッピングに二つ載せれば、三百円でもそこそこお腹に溜まるよ
(p.137)
「載せる」は誤変換か。この巻は作者が巻末に2010年8月と書いていますが、ちなみに私の当時のはなまるパターンは、かけ小とおにぎり(鮭)。これで 250円でおつりが来たはずです。食べ方は、まずかけうどんの、うどんだけを食べます。食べ終わったら、残ったつゆにおにぎりを入れてほぐして、だし茶漬けのようにして食べます。
ところで、2021年現在、はなまるうどんのかけ小は、何と240円です。250円しかないとおにぎりが買えなくなってしまいました。立ち食いのうどんの普通盛りが250円程度で食べられる店があるので、もはやはなまるに安いというイメージはありません。
新宿東口側では、ジャンル毎の専門ビルを展開して独自性を保っていたサクラバヤが撤退し、ビッグカメラとラビット・アマダ電機が鎬を削っているが、西口は完全にヨドガワバシカメラの独壇場と言ってよい。
(pp.161-162)
サクラバヤはさくらやですが、現在は会社自体がありません。東口の店舗は今はビックカメラになっています。「ビッグカメラ」はビックカメラ。今は新宿西口の小田急ハルクの中の店舗が結構広いフロアです。他に、ユニクロとコラボしたビックロという店もあります。
ラビット・アマダ電機は「君の名は。」にも出てきたヤマダ電機のLABI新宿東口店ですが、現在、大塚家具になってしまいました。ヤマダ電機は東口から撤退し、新宿西口店が営業中です。ということで、西口が意外と激戦エリアかもしれません。ちなみに私は地下にあるヨドバシ酒屋がお気に入りです。
さて、この巻では、ネットで情報収集できるからテレビは不要だという主張に、魔王が反論するのですが、
「なんつーかさ、ネットでの情報収集って、そういうことあんまり無いんだよな。ハンバーグって思うと、和風おろしとかデミグラスソースとかチーズハンバーグとか豆腐ハンバーグとかハンバーグ専門店とかドイツのハンブルグとか出てくるんだけど、そこに鮭のバター焼きもやし炒め添えの出る余地がない。なんつーか、偶然の広がりがないだよ」
(pp.50-51)
ググって情報収集するとそういう傾向はありますね。ただ、ハンバーグを見ている人は鮭も見ています、というリコメンドが出てきそうな気がしないでもない。