Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

ゼロ・ストーン

昨日ちょろっとネタで出した本を読み終えたので紹介します。アンドレノートンさんの「ゼロ・ストーン」。

タイトルの「ゼロ・ストーン」は、そういう名前の石が出てくるのです。これがとんでもない値打ちもので、手に入れたマードックが追いかけまわされる、マードックは逃げまくる、というシナリオです。どこかで反撃するのかと思って読んでいたのですが、結局だいたいずっと逃げ回っています。

マードックは父に学んだ鑑定技術を活かした宝石鑑定師の見習いで、宇宙船に乗って惑星間貿易をしています。ところが途中でトラブルに巻き込まれてお尋ね者に。マードックと一緒に逃げるのがネコのイート。ネコといっても宇宙生命体です。テレパシーで会話ができて、言葉が通じます。

人は学ぶことが必要なときに学ぶ。知識はつきることのない蔵だ。
(p.144)

といいつつ、イートはマードックよりもはるかに知力が高く、人間の知らないようなことまで知っているので、マードックはだいたいイートの指示で動いていたりします。イートの知恵で命拾いをするわけです。

この作品、イートに対してネコをイメージしながら読むのですが、セーラームーンのルナとか魔女の宅急便のジジのような感じよりも、どうやらまどマギキュゥべえみたいな感じです。ただし色は黒のはずなのですが。


ゼロ・ストーン
アンドレノートン
小隅 黎 翻訳
梶元靖子 翻訳
ハヤカワ文庫 SF (648)
ISBN: 978-4150106485