Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

ひとでちゃんに殺される

今日の本は片岡翔さんの「ひとでちゃんに殺される」。

ひとでちゃんは転校生。自己紹介で。

「ひとでなしのひとでちゃんって呼ばれてます」
(p.103)

ジャンルはホラーなので本当に殺されるのだ。話の最初の方は怨霊とか和風の怪異系なのかな、と思って読んでいくと、ひとでちゃんの仕事が、

「祓魔師。エクソシストって言った方が分かりやすいかな」
(p.150)

だんだん話が斜めにズレていく。

ストーリーは最初、神社の息子の高校生、鷹守の視点で進んでいく。鷹守は蔵で見つけた古書で呪いをかける方法を知り、実行して悪いクラスメートを殺していくのだが、途中で鷹守も殺されてしまう。そこから後は同級生の佐藤水色の視点で話が進んでいく。水色は霊とか物の怪が見えるという能力を持っているので、クラスメートがおかしな殺され方をしていることに気付くのだが、霊が見えることは隠しているので一人で抱えてしまうことになる。そこにやってきたのが、ひとでなしのひとでちゃん。

最初からずっとドロドロした流れのストーリーで、いじめとか出て来て、こりゃバッドエンドなのか…と思いきや、そうでもない微妙なところにオチが来るので、まあまあやられた感がある。アイアイというお猿さんが出てくるのもいい。

 

ひとでちゃんに殺される
片岡 翔 著
新潮文庫
ISBN: 978-4101802114