Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

鴨川ホルモー

今日の本は万城目学さんの「鴨川ホルモー」。Amazon で表示されている文庫本のカラフルな表紙がどこなのか分からないけど、単行本の表紙はアビーロードじゃなくて四条通だと思う。作品に「四条烏丸交差点の会」とか出てくるし。蛇足しておくと烏丸はカラスマと読む。

京大大衆小説【謎】のジャンルの二大巨頭といえば「夜は短し歩けよ乙女」の森見さんと、この万城目さん。どちらがオカシイのか比較してみると私の判定では両者互角。どっちも変。しいて言うなら万城目さんの方がオカシイ感じで、森見さんはより派手にコワレている。で、この小説は、ジャンルはラブコメ。違う、という人がいるような気もするが気にしない。ホルモーって何やねん、というのは小説中に出てくるから説明したくないが、

一種の競技の名前
(p.5)

と書いてある。一種と言われても困る。これでは説明になっていないから蛇足すると、競技というよりはカードゲームみたいなものだ。カードじゃなくて戦うのはオニなのだが、アニメのカードゲーム系はモンスターが出て来て戦うからそういうモノだと思えばいい勝負だ。

舞台は京都。主人公の安倍は京大生である。

俺は近頃、深夜になると鴨川の川べりでしばらく涼んでから、部屋に戻って寝ることが習慣になっていた。
(p.42)

私の知っている京大生も多分そんな感じだったからリアルなのである。京都で安倍というともしかしてアレかと思う人がいるかもしれないが、ソレのような気配がある。つまり陰陽師のアレだが、この作品の安倍はどうも冴えない凡庸系。

ホルモーは団体戦で、戦うのは4つの大学のチーム。京都大学清流会、京都産業大学玄武組、立命館大学白虎隊、龍谷大学フェニックス。フェニックスというのは火の鳥じゃなくて朱雀だ。個人的には同志社女子大学の乙女たちが戦ってくれた方がアニメ映えしそうな気がする。4チームの中に同志社大学が出てこないのはキリスト教が日本の神とかオニと相性が悪いからだろうか。同志社大学は「モルホー六景」に出てくるらしいがそちらは未読。

今ならアプリでも作れば本当にチームバトルできそうな気もするが、実は既に大学間でバトってたりするのだろうか。

 

鴨川ホルモー
万城目 学 著
角川文庫
ISBN: 978-4043939015