今日は東京大学新聞社から毎年出ている東大受験本の紹介です。2021年度版のタイトルは「東大/主義」。スラッシュにどういう意味があるのかは、
東大で学んできた人たちの生き方が多様だから
(p.7)
という理由から、「東大」と「主義」が
常に結合しそうで決して結合し得ない二つの言葉
(p.7)
なので分離しておいた、ということになりそうですが。
どういうことか分かりません(笑)。それって主義なのか。そういえば私は無主義主義者と自称していたことがありました。
熊谷晋一郎准教授へのインタビュー記事で、東大主義とは何かという質問への回答が次のように書いてあります。
理屈が通るということでしょうか。慣習で動くというよりはしっかりと考えて理を尽くせば賛同してくれる文化が東大にはあります。
(p.28)
他の人達のインタビューにも同様の質問が出てきますが、先の回答が一番納得力がありました。
ところで、今年は例年に比べるといまいち面白くありません。例年掲載しているマンガはないし、そう目新しい内容もない、ということで東大を狙う受験生以外にはおすすめしませんが、一つ注目するとしたら、毎年巻末に出ている就職先一覧です。
東大は全大学の有名企業就職率ランキングでは30~40位とか、案外下の方に出てきます。有名企業に入れないわけではなく、有名企業に入らない学生が多いのです。就職先は多種多様で、これがもしかすると東大主義というモノなのでしょうか。
法学部から QuizKnock というのはまだ納得できますが、理学部から吉本興業というのは一体学んだことの何を活かすつもりなのか訳が分かりません。農学部からは三井住友銀行、ゴールドマンサックス証券、住友生命、のような金融・証券系への就職が気になります。最近の銀行は農業にも手を出しているのかも。修士課程からはシンガーソングライターという人もいますが、フリーランスって人もいます。それって就職先なのかな。博士課程からは漫画家という人が2人います。プロがいるのならこの本にもマンガを描いてほしかったです。