Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

天冥の標Ⅳ: 機械じかけの子息たち

今日は天冥の標、Ⅳ。「機械じかけの子息たち」。

この巻は《恋人たち》(ラバーズ)がメインの物語です。テーマはエロス。ということで最初から最後までエロです。アニメ化したら多分大変なことになりります。ハイブリッドハート程度で済めばいいのですが、多分無理。

主人公はキリアン。やりまくります。相手をするのはアウローラとゲルトルッドの姉妹。姉妹といっても《恋人たち》ですからアンドロイドなんですが。そして、ちょうどヤッてる最中に乱入してくるのが聖少女警察、VP(バージンポリス)という名前から既にスゴいキャラ達で、

蛋白機械のみだらな娼婦たちを取り締まり、かわいそうな被害者の人を取り戻すのがお仕事
(p.138)

なのです。蛋白機械というのは《恋人たち》のことですね。これが、武器を装甲しつつ、

ボディには白とピンクの薄いレオタードしか着用せず、胸から太腿までの輪郭をあらわにしている。
(p.124)

というコスプレで攻めてくるのです。一体何がしたいのか。

濡れ場とバトルで錯乱している状況が延々と続く感じですが、後半は「混爾」を求めるという謎の流れになっていきます。ちなみに「混爾」とは究極のアレのことで、海原雄山だと至高ですか。アレじゃ分からないか、要するにナニのことです。

キリアンとアウローラはその過程で「交道」という誰も達成しなかった境地に至ります。具体的に説明すると、言葉だけでお互い手も触れずにイッてしまうという恐ろしい技です。そういえば手を使わずにイクというのは、吾妻ひでお大先生でしたっけ。SFの世界は奥が深いというか次元が違います。

最後にいつも通り、気に入った一言を紹介しようと思ったのですが、今回はヤバそうなのでやめておきます(笑)。


天冥の標Ⅳ: 機械じかけの子息たち
小川 一水 著
ハヤカワ文庫JA
ISBN: 978-4150310332