Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

眠れるラプンツェル

今日の本は、山本文緒さんの「眠れるラプンツェル」。

ラプンツェルというのはもちろん塔のてっぺんに幽閉されているあのラプンツェルのことですが、眠れるというのが何かよく分からないというか…。主人公の汐美は専業主婦で不眠症になったりするので。マンションの8階に住んでいるからなのでしょうか。ラプンツェルが寝ていたら下まで来た王子が無視されたと思ってブチ切れそうですね。

汐美の夫はCMを作る仕事をしています。残業や出張で殆ど家には帰ってきません。汐美はだらだらと一人暮らしのような生活をしていますが、ひょんなきっかけでペット禁止のマンションで猫を飼うことになります。さらに、隣人の旦那さんと子どもと仲良くなります。とても仲良くなります。ということで、どんどん生活は乱れて行くのです。

何となく勢いで読める不思議な作品ですが、一つ不満があるとすれば、金魚を送りつけてきた犯人がすぐに想像できてしまったこと。ミステリーではないので、どうでもいいのかもしれませんが。

とりあえず一言紹介します。

悪い噂は果てしなく悪く誇張され、美しい噂はどこまでも美化される。
(p.204)

 

眠れるラプンツェル
山本 文緒 著
片岡 忠彦 デザイン
角川文庫
ISBN: 978-4041970133