Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

コンビニたそがれ堂 星に願いを

今日は「コンビニたそがれ堂」の3冊目、「星に願いを」です。

店を見つけられたらそこには必要なものが必ずある、という不思議なコンビニのお話です。本作には3つの短編が収録されています。

最初の短編「星に願いを」には、お弁当箱のつくも神とか、万年筆のつくも神とか出てきます。つくも神というのは、

大切に使った古い道具には、魂がこもることがある。
(p.82)

ということはご存知かと思いますが、お弁当箱のつくも神は珍しいかもしれません。私の持ち物の中では、学生の頃に買ったラーメンどんぶりを今も使っているのですが、このあたり、つくも神様になっているかもしれません。

2作目の「喫茶店コスモス」。毎年コスモスを見に行くという約束が守れなかった喫茶店のマスターの話です。ちょっとしたどんでん返しがあります。

私は最近スタバばかりで、喫茶店には殆ど行かなくなりました。昔、下北沢に住んでいた頃は毎日のように喫茶店に行ったものですが、今では喫茶店自体がかなり減ってしまいました。

3作目の「本物の変身ベルト」は正義の味方、ヒラタマン。主人公の良太さんは悪の組織からスカウトされます。

わたしども、ピース・オブ・ユニバース研究所は、世間のみなさまがいう、『悪の秘密結社』直属の研究所です。世界を征服するための兵器の研究を、日々続けているのです
(p.150)

コンビニで買った変身ベルトで変身できるというのがスゴいです。仮面ライダーは風力でエネルギー充填するのでしたっけ。鉄腕アトムに比べるとエコですね。自然に優しい超人。このヒラタマン、ツイッターで返信を待っているというのが何となくお茶目です。私は返信が苦手なので、返信ベルトが欲しいです。


コンビニたそがれ堂 星に願いを
村山 早紀 著
こより イラスト
ポプラ文庫ピュアフル
ISBN: 978-4591118306