Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

雪の夜は小さなホテルで謎解きを

今日はミステリーで、「雪の夜は小さなホテルで謎解きを」。

ちょっと異色な風味が混ざっています。大雪でほぼ閉じ込められた小さなホテルの中で盗難事件が発生。誰が犯人か。謎を解いていくのは12歳のマイロと、メディ。このストーリーの注目点は、二人がオッド・トレイルズというTRPGをやりながら謎を解いていくところです。マイロは「はしごのぼり」という偵察スキルのあるキャラクターになります。メディは注解学者。

天使に仕える精霊みたいな翼のある生き物で、できごとの流れを変えるかたちでは行動しないとされている。
(p.81)

TRPG ではプレイヤーの質問に答える役ですが、それをプレイヤーでやってしまうことになります。ゲームと現実世界が交錯していきます。

ホテルの宿泊客達は、食事の後の暇つぶしのために、各々、何か話をするということになります。この話が謎解きへのヒントになるわけです。

エンディングのどんでん返しというか、なるほどそう来たか、といった予想できない流れは意表を突いていますが、もう一度読み返してみるとあちこちに伏線が張ってあるのが分かります。

読んでみてちょっと疲れる感じがしたので、暇で暇でしょうがない時に読むのがいいのではないかと思います。

一つ名言を紹介しておきましょう。

人がお金をほしがりはじめるとめんどうなことが起きるんです。
(p.133)

 

雪の夜は小さなホテルで謎解きを
ケイト・ミルフォード 著
山田 久美子 翻訳
創元推理文庫
ISBN: 978-4488135041