Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

下流老人と幸福老人

今日は新書で「下流老人と幸福老人」。

下流・上流というのは単純に資産で分類している。

金融資産500万円未満までは広い意味で「下流老人」であろう。(中略)資産2000万円以上が広い意味での「上流老人」だと言えるであろう。
(p.28)

その間を中流老人と呼んでいる。これに対して、幸福老人というのはアンケートで幸福かどうかを調査しているのだが、

基本的に年収が高くなるほど幸福度が上がる。ただし600万円を超えると幸福度は伸び悩む。
(p.94)

しかも、年収800~1200万円で「とても幸せである」「幸せである」の合計は82%なのに、1200万円以上だとこれが78%に下がってしまうのだ。では、幸せであることの条件というのは何か原因を調べてみると、

「夫婦生活があまりうまく行かなかった」が1位
(p.84)

確かにそこは金では解決できない要素があるし、そもそも幸せかどうかというのは本人の気持ちで決まるものなので、金がないので不幸ということがあっても、金があれば幸せだとは限らないわけだ。

本書の後半は老後を幸せに生きるためのサービスが紹介されている。一緒に食事を作って食べる会、デイサービスや共同生活のシェアハウスなど。ただ、この種のサロンは現状では新型コロナの影響で中断していそうで、若干心配である。

 

下流老人と幸福老人 資産がなくても幸福な人 資産があっても不幸な人
三浦 展 著
光文社新書
ISBN: 978-4334039134