Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

大学ランキング 2021

今日は「2021年版大学ランキング」。これは毎年発行されていて、大学をいろんな切り口からランク付けする本です。

よくある就職率、難易度のようなランキングだけでなく、例えば「俳優、映画監督の出身ランキング」のようなものまで出ています。ちなみに、1位は早稲田大、2位は明治大、3位は日本大 (p.401)。ま、このランキングは学生数が多い方が有利ですが。

アナウンサーの出身ランキングだと、1位が早稲田大、2位が慶應義塾大、3位が上智大。(p.403)。アナウンサーは激戦区だといいますが、難関大が上位に並んでいます。ちなみに女子アナに限定すると、順序が1位慶應義塾大、2位早稲田大と入れ替わります。

キャビンアテンダントは人気の職業ですが、2019年の採用者ランキングは、1位が関西外国語大、2位が青山学院大、3位が関西学院大。関西が強いのでしょうか。

今年は巻頭特集が「入試改革 私はこう考える!」

わたしは「答えられない問いを立ててごらん」と学生に要求し、「やったことないから、どうしたらいいかわからない」という学生をたくさん見てきた。
(p.037、上野千鶴子)

やったことでないとできない、というのが受験勉強、確実に答がある問題に答える練習ばかりしてきた人の特徴なのでしょう。

ちなみに私は昔、コミュニティのSYSOP(議長役?)を担当していたときに、スタッフの採用試験に「オンラインコミュニケーションにおけるメジャーマイノリティとマイナーマジョリティの非本質的な違いを300行以内で述べよ」いう問題を出していたことがあります。この問いは正解はありません。答え方を評価するのです。

共通テストに対する批判がいろいろ出てきます。

国語では設問条件をガチガチに固めておいて、与えられた文章、資料から必要な情報、キーワードを抜き出せるように誘導して解答させる。これでどうやって思考力を問うのか。
(p.056、筑波大学付属駒場高等学校3年 男子生徒)

昨年、記述式テストは採点が公平にできないのではないか、という話題で盛り上がったことがありました。国語のテストというと、採点者によって点数が異なるのではないか、と勝手に妄想した人が大勢いたのです。

実際の記述式テストの問題は、そんな差が発生する余地の微塵もないような、ガチガチに固められた採点ルールがあって、採点者による差など出てくるわけがないのです。そこで、こんな問題で本当に思考力を評価できるのか、という疑問が出て来て当然なのですが、もちろん評価できません。当時、そこの指摘が殆ど出てこなかったのは不思議なことですが、やはりプレテストを体験している当事者は分かっていたようです。

 

大学ランキング 2021
朝日新聞出版 著
AERAムック
ISBN: 978-4022792556