Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

幸腹な百貨店

図書館に本を借りに行ったら、今はカウンターしか開いてなくて、アニメに出てくる裏世界のカウンターみたいになっていました。ラウンジの照明とか落としているので雰囲気も最高です。そろそろネタがなくなってきたけど、今日は「幸腹な百貨店」。シリーズ3作目を最近紹介しましたが、その1作目です。

あらすじをざっくり紹介すると、落ち目になったデパートを復活させる話です。主人公は高橋伝治。本作では事業部長かな。社員の花村瑠衣と、他の百貨店勤務の古谷、この3人でメシを食いながら作戦会議をしますが、その会話が途切れたところで料理を持ってきます。

会話が途切れたまさにそのタイミングで料理を運び、間を持たせるように説明を加えたのだ。
(p.80)

蕗の煮染めが話の途中で出てきます。

かすかに醤油味を感じ取れるものの、それより遥かに蕗そのものの味が感じられた。
(p.141)

つい最近、フキノトウを採ってきて味噌汁に入れて食べたのですが、フキの主張が半端なかったです。

話は全体的には昔の人と若い人とのディスコミュニケーションをどうやって解決していくか、というパターンなのですが、最近の若い者は酒が飲めない、というのが面白い。

酒の吞み方なんて、学校では教えない。昔はサークルや部活の呑み会で先輩から教わることもあったが、今はそういった場の飲酒自体が制限される傾向が強いらしい。
(pp.102-103)

私は酒の吞み方はどちらかというと入社してから先輩に教わったような気がします。もっとも、当時は中卒の時点で皆、ビールとか飲んでましたけど。

幸腹な百貨店
秋川 滝美 著
講談社文庫
ISBN: 978-4062939034