Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

SEのフシギな生態―失敗談から学ぶ成功のための30ヶ条

今日は「SEのフシギな生態」、SEあるあるの本です。2005年発行、と少し古いので、今読めば懐かし話的な楽しみ方もできます。

まずは、メールの送信先間違い。

「またバカが何か言ってきたからさ、下のような仕様に変えてちょうだいな」
(p.59)

というメールを開発スタッフじゃなくてクライアントに送ったというのですが、流石にそれはないですよね。社内でもお客様は神様扱いというのは基本中の基本ですよ。私の経験では社内メールでお客様が敬語になっていないと怒られたことはあっても、「バカが」なんて失態は記憶にありません。

次に、送ったメールがウイルスに感染していた件。

「ウイルスに感染していました。以後は気をつけてください」
(p.66)

これは個人的には経験がありませんが、別部署でやらかしたという話は聞いたことがあります。社内のpcには普通アンチウイルス系のソフトが入っているのてすが、個人のノートpcを使っていて感染したとか、そういう話だったと思います。

次に、開発ソフトをupdate したらバグが直った件。

アプリケーションが異常終了してしまうのはプログラムの書き方が悪かったわけではなく、開発ソフト自体が持っていたバグのせいだった
(p.95)

これは何度も経験がありますね。だから Windows を使うなとあれほど…

逆コピーも個人的には結構あるあるのですが。

間違えて、サーバ側のファイルをこちらへコピーしてしまった
(p.111)

この人は、プログラムを更新した後、最新のデータをサーバーの共有ファイルにコピるつもりが、逆にサーバーの共有ファイルの古いバージョンをローカルに上書きしたようです。これとは別パターンで、間違って壊したファイルを元に戻したいのでバックアップからコピーしようとしたところ、うっかりローカルをバックアップにコピって元ファイルが消滅、みたいな事故もありますね。最近は Git とか使っていたら、こういう事故はあり得なくなりましたが。レポジトリごと消されない限りね。

ヘルパーを雇って仕事をふってみたら何もできない件

まさか、ウインドウズNT知りません、ログインって何ですか? fdisk知ってるなんて嘘でした。DOSって何ですか? ワード、エクセル実は使えません。
(p.146)

まだNTの時代でしたっけ? それはそうとして、これは詐欺で訴えていいレベルじゃないのかな。同一労働同一賃金の法則があるので、労働できない人に賃金を支払う必要はないでしょう。

下請けに見積書を送ってしまった件。見積書が入った設計書があったのですが、

「その中にこっちが書いた見積書が入っちゃっているから、それを抜いて送るようにしてくれ」
(p.210)

本人は見積書以外を送れと言ったつもりなのですが、それを聞いた部下が、見積書だけを抜き出してFAXで送ったというのです。

自分の指示ってそんなに間違ってたんでしょうか?
(p.211)

抜いて送るなんていうどちらの解釈もできるような指示をした時点で、上司失格ですね。

最後にプロの心得を。

プロというのはお仕事としてやっているからプロなのです。お仕事というからにはお金を稼がなけゃいけません。そのために必要なことは「納期を守る」「仕様を守る」「バグを出さない」ことです。
(p.317)

まさにその通りです。蛇足しておくと、開発現場では仕様がないことが実にしばしばあります。ここの仕様はどうなっているか訊いたら「アジャイルです」とか言われます。


SEのフシギな生態―失敗談から学ぶ成功のための30ヶ条
きたみ りゅうじ 著
幻冬舎文庫
ISBN: 978-4344407251