今日は「桜大の不思議の森」。ジャンルは何でしょうね、民話的なネタが出てきます。メルヘンかも。最近、私は毎日お地蔵さんに挨拶をしてから出かけています。土地神様なのです。
桜大で「おうた」と読みます。
桜大は、今年中学へ上がったばかりの十三歳。
(p.9)
読者層としても中学生あたりが想定されているのかもしれません。桜大は黒沼の森という森がある村に暮らしています。この森には神様がいると信じられています。それを裏付けるような不思議なことがいくつも起きます。例えば、猟師が山で変な気配を感じますが、金縛りになって動けません。
「ダルか!? これは、ダルでねえか!?」
(p.68)
取りつかれたら死んでしまう妖霊だそうです。
桜大は小さいときに行方不明になったことがあります。その時は、黒沼で踊っていたところを発見されます。子供一人で行けるような場所ではないのですが。
「狐面の子どもに誘われて、祭りに行った。大勢の人と踊って、飴を食べて楽しかった」
(p.120)
村人が総出で探して、黒沼に着いた時に見た桜大は、一人で踊っていたのです。狐面というのが出来過ぎのような気もしますが不気味ではあります。
桜大の不思議の森
香月日輪 著
徳間文庫
ISBN: 978-4198936105