Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

京都府警あやかし課の事件簿 2 祇園祭の奇跡

今日は引き続きということで、「京都府警あやかし課の事件簿2」です。第一話と第二話が独立した短編で、第三話、第四話、終章の3つは祇園祭の話で、この3つでシリーズという感じですね。祇園祭はいいですよね。って、はて、私、行ったことありましたっけ?

第一話「都ノ名宝、宇治ニアリ」は、化け猫の月詠が出てきます。猫耳モード?

「君達は、検非違使だね?」
(p.30)

時代感がおかしいですが、一応合ってますか、当時の警察ですよね。で、今回はバトルの相手が結構強敵です。まさるが戦うのですが負けてしまい、女性の姿に戻ってしまいます。相手が言うには

美少女剣士としては、まぁ及第点、かな。
(p.39)

月にかわっておしおきは出来なかったようですが。残念。今回はゲストで在原業平が出てきます。この人の笛が騒動の元ネタなんですが、笛を見せると、

「あっ。こりゃあ、私の笛じゃないか。懐かしいなぁ。千年と、二百年ぶりくらいかね?」
(p.57)

そういう時間感覚って持てるものなのか? この話、カーアクションも圧巻です。

後方から、ヘッドライトを点けた巨大な牛車が、牛を使わず自力で追いかけてくる。
(p.70)

想像できませんけど、猫バスみたいな感じですかね。

第二話の「嵐山天泣物語」はコイバナ。ていうか失恋物語なんですが、野宮大黒天さまのお言葉。

『あんたのよこしまな願いは聞かれへん』って、追い返したんや。
(p.167)

日本の神様は、いい願いしか叶えてくれないのです。このあたり、ランプの精とはちょっと違うようです。しかし何がよこしまなのか、判断基準はどこなんですかね。

終章では素戔嗚尊(すさのをのみこと)さまが出てきます。物凄い威圧感のようで、顔も見ることができないのですが、そういえば神様ってアニメとかでは現代日本語を話しますが、実際【謎】はどうなんでしょう。神代の言葉と今の言葉は、かなり違うような気もします。

 

京都府警あやかし課の事件簿 2 祇園祭の奇跡
天花寺さやか 著
ショウイチ イラスト
PHP文芸文庫
ISBN: 978-4569769417