Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

巴里マカロンの謎

今日は京都出張で、本など読む時間がない…わけでないが、書く暇あるのかな、雑記にしてしまおうかな、という感じでしたが、どうにか間に合いましたかね、今は走って何とか間に合って乗れた新幹線の中です。本は「巴里マカロンの謎」。

シリーズ最新作と書いてあるので、シリーズ物なんだと思います。登場人物は、お菓子の大好きな小佐内さんと、推理力抜群の小鳩くんです。小山内さんの感性はかなりズレているようで、こんなことを言います。

曲線でできていない生き物がいたら、びっくりすると思う。
(p.18)

いや、むしろズレていないのか。

この本には4つの短編が入っています。全部お菓子が絡んでくるミステリーです。最初の作品「巴里マカロンの謎」は、3つマカロンが乗って来るメニューを注文したら4つ乗っていたというマカロン不思議な話です。

2作目は「紐育チーズケーキの謎」。ニューヨークなんてとても読めません、これ、どんなチーズケーキかというと、レアチーズケーキの、もっとレアな感じらしいです。

「レアチーズケーキは直接加熱しません。ニューヨークチーズケーキは湯煎焼きします」
(p.86)

低温調理に近い感じ? 湯煎だと100℃以下ですね。

3作目が「伯林あげぱんの謎」。ベルリンも読めませんわ。この作品、いきなり小佐内さんが泣き顔で登場します。

小佐内さんの目からは、涙がこぼれていたのだ。頬はわずかに上気し、くちびるは紅を引いたように赤い。
(p.150)

何か悲しいことがあったようです。しかしこれ、アニメ化できそうにないですね。この本の中では、この作品が一番いい感じなので、残念です。

最後が「花府シュークリームの謎」。もうこれ読めないし変換もできませんね。悔しいので書きませんが、デジタル加工した写真って、これからのミステリーでは常識になるのでしょうか。うまくやれば見抜けないようなデータも、今では作れそうです。

最後に、パティシエの古城春臣さんの言葉で閉めましょう。

一番高いハードルを跳べれば、ほかのことは怖くなくなる
(p.15)

しかし、いきなり激突しそうなんですが、立ち直れるのでしょうか。


巴里マカロンの謎
米澤 穂信 著
創元推理文庫
ISBN: 978-4488451110