Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

掟上今日子の乗車券

2月になりました。雑記絶ちしたのは10月でしたっけ、流石に1日一冊のペースで読み続けるのは大変なので、そろそろ雑記復活したいです。というのは、最近読んでいるのはモビーディック、「白鯨」なのですが、これがなかなか濃いのです。まだ上巻が詠み終わっていません。多分、この上巻を読む時間で、忘却探偵10冊読めます。といいつつ、今日はそのシリーズから、「掟上今日子の乗車券」を。

今回は、今日子さんと親切守が旅行に行く、という話。何の旅行かというと地方に営業に行くらしいのですが、探偵の営業って謎ですよね。

事件性なんてものは、世界中のあちこちに転がっているのだろう――見える人には見えるし、見えない人には見えないというだけの話だ。
(p.22)

見えないというより、見ない、って感じですかね。最近個人的に気になっているのは例の「桜を見る会」なのですが、何が気になっているかはまたの機会に。

2作目、「山麓オーベルジュ『ゆきどけ』」は、老紳士の裁判官から提示された謎を解きます。動機が分からないというのですが、

金目当ての殺人と怨恨殺人では、同じ殺人でも、まったく別物になりますな
(p.76)

動機で量刑も違って来るというのですが、このあたりAI裁判官になっても対応できるのでしょうか。

3作目「高速艇『スピードウェーヴ』」は、密室となった操舵室内で船長と副船長が倒れているという、密室殺人未遂事件。この話、

木の葉を焼くために、森ごと焼いたようなもの
(p.124)

そりゃいくら何でもコスパが悪すぎるような気がしますけど、暗殺に核兵器を使うと確かに誰を殺したいのか分かりにくくはなりますが。5作目「観光バス『ハイスピードロード』」も、動機としてはちょっと納得いきませんけど。まあいいか。

 

掟上今日子の乗車券
西尾 維新 著
講談社
ISBN: 978-4065132043