Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

婚礼夜 - クリムゾン・ヴァンパイア

今日はラノベで、夏目翠さんの「婚礼夜 - クリムゾン・ヴァンパイア」。吸血鬼系です。

いろいろとドロドロした家庭の事情を抱えた掛島橘香は17歳。母親が亡くなって逃亡生活に入りますが、いきなり暴漢にヤラれそうになるところを、吸血鬼に助けられる。というシーンからストーリーが始まります。といえば怪異譚かと思いきや、まあラブコメとか、そっち系のカラーが強いです。サラっと読めるので後にあまり残りません。

関係ないところでちょっと気になったのが、

大きな駅の監視カメラには顔認証追跡システムがついているんですよ。……まあ、あまり詳しくは言えませんが
(p.85)

こんなの常識ですよね。暗黙の了解というか、コンビニとかどうなっていましたっけ。

橘香は中塚原家という、今時日本には実在しなさそうな大金持ちの家にメイドとして働くことになります。表紙みたいなメイド服を着て働かされるお屋敷って実在するのでしょうか。メイド喫茶は新宿にもありますが。しかし、警察に顔がきくレベルの金持ちというのはなかなかのステータスですね。面倒家みたいなものか。

橘香は姉を毛嫌いしていますが、姉を倒せる場面になったときに、どうやって復讐するか尋ねられると、放置して欲しいと言います。その理由が

「いつか自分が年老いたとき、果たして自分の子供が自分の面倒を見てくれるのか。思い知ればいいのよ」
(p.182)

子供は親に似るといいますが、壮大な復讐を計画しているようです。しかし橘香の親はどうやってこういう子供に育てたのかな。


婚礼夜 - クリムゾン・ヴァンパイア
夏目 翠 著
直江 まりも イラスト
中央公論新社
ISBN: 978-4125013138