Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

掟上今日子の婚姻届

こっちのシリーズも既に順番が何だか分からなくなっていますが、今日は「掟上今日子の婚姻届」。

ゲストキャラは常連の隠館厄介。冤罪体質の人です。この厄介に破滅体質の囲井都市子がプロポーズするというのがメインストーリーです。それはそれで面白いので今回も全部スルーするとして、気になったところのツッコミだけ入れてみます。まず、忘却探偵である掟上さんの特性について。

積み重なった記憶がないということは、その分、脳のリソースを思考に割くことができるという意味
(p.13)

その可能性もありますが、1日分のデータを入れたら memory full になってしまうので寝てリセットして空きを作っている、という可能性もありますよね。実在するサーバーだとそういうのが多そうです。

次は厄介が仕事をクビになったときに呟く言葉。

生きているだけでマイナスとは、なんて人生だろう。
これでは死んでいるほうが効率がいいということになりかねない。
(p.42)

マイナスだとそこで死んでいるような気がするのですが、収入から生活費を引いたらマイナスになるって、どうやれば実現できますかね。普通、ゼロスタートで収入から生活費を引いてマイナスというのはあり得なくて、マイナスになる前に餓死とか凍死しそうな感じですが、最近はニートという人達もいるし、そうでもないのか。資産家の息子で最初から預金があるとか。

次のコレは、先入観の法則とでも呼びましょうか。

『以前に理不尽に疑われたことがある』という事実が、更なる疑いを招く
(p.52)

疑われる奴だから悪いことしているだろう、という話です。疑われているやつは、疑われているという理由で信じてもらえなくなるのです。まあ世の中その程度のものなんですが、ゴーンさんは結構頑張ってますね。この法則も絶賛発動中なので、誰も信用してないように見えますけど。アレを信用する人っているんですかね。証拠を出すといってスクリーンに出した書類の画像が読めないというのは面白かったですけど、アレを信用する人っているんですかね?

最後に、コツコツやることについて。

いつの日か百万円に達することを夢見て、何年もかけてちまちまと五百円玉貯金をしていたところに、突然、宝くじで三億円当たってしまったようなものだ――これでは人生の意味を見失う。
(p.200)

そういう人は三億円当ててもちまちまと五百円玉貯金を続けると思います。ていうか500円を2000回入れたら100万円ですから、案外達成しやすい目標です。インフレで物価が100倍になった方がダメージは大きいでしょう。


掟上今日子の婚姻届
西尾 維新 著
VOFAN
講談社
ISBN: 978-4062200714