Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

東大2020 考えろ東大 (現役東大生がつくる東大受験本)

今日もはぐれ長屋…という予定でしたが、そればかりというのはちょっとアレ【なにが】なので、今日はこちらの本を紹介します。

このシリーズは毎年紹介しているのですが、今年は「考えろ」という副題が付いているので何か考えているのだろう、とは思ったのですが、何がいつもと違うのかよく分かりません。考えても分かりません。あれ?

もしかして、ヤラれましたか。

今回は巻頭カラーページの猪子寿之さん。チームラボ代表です。インタビュー形式の記事ですが、受験勉強で得たもので役立っているものはあるかという質問に、

例えばどうしたら画面の明るさは同じままもっと部屋を暗くできるとか、そういう目標を実現するためには、物理的な法則に基づいて設計していく必要があって、そこでは数学や物理の知識が必要になってくるんだよ。
(p.9)

ソニーの盛田さんでしたっけ、音楽がビジネスに役立つと仰っている、そういう逸話に比べると意外性がないことが逆に意外な正統派ですね。ちなみに私はプログラマーの仕事に役立った科目を訊かれたら、歴史と漢文と答えることにしています。

猪子さんが東大に入ったときに、

みんな何かどうでもいいこと話してる。
(pp.9-10)

何を期待していたのでしょうね?

で、この本ですが、表紙にも「受験本」と書いてあるように、受験生を想定した内容です。おすすめの参考書、問題集や勉強スケジュール、入学してからの学部選択など、おそらく本気で東大を狙っている人にはお宝的な情報がたくさんあります。

毎年恒例の東大生アンケートですが、合格に必要なものはという設問に、運と答えた人が 46.2% (複数回答可)、というのは少し減ってきましたかね。いつもだいたい半数が運と答えているのです。

あとは、毎年恒例の、巻末に出ている就職先一覧、大企業・有名企業への就職率ランキングでは案外低いところにいる東大ですが、一体どこに就職しているのだろう、という疑問を感じた人は一読の価値があります。何でそんなところに、というような人がいます。

例えば農学部から農林水産省、というのは分かりやすいのですが、トヨタ自動車とかになると、農業用の車両でも作るのかな、というあたりが限界で、大坂フィルハーモニー管弦楽団になってしまうと、農業と何の関係があるのか全く想像できません。あと、くまちゃん動物病院も個人的には気になります。

 

東大2020 考えろ東大 (現役東大生がつくる東大受験本)
東京大学新聞社 編集
ISBN: 978-4130013031