Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

紋太夫の恋―はぐれ長屋の用心棒

今日は「はぐれ長屋の用心棒」シリーズから、「紋太夫の恋」。紋太夫というのは居合の達人の菅井のことです。この紋太夫の部屋に子連れの女性が転がり込みます。女は伊登。子供は幸太郎。どういう関係かというと、

菅井のところに来たふたりは、義妹と甥だ。
(p.48)

義妹というのは、

「菅井の旦那には、おふささんという連れ合いがいたんだよ。それが、長く患っていて五年ほど前に亡くなったのさ」
(p.49)

これは長屋のお熊の言葉。このシリーズ、お熊は結構よく出てきます。頻出単語です。

この二人、家が荒らされているというので逃げて来たのです。単なる物取りではなく、何かを探しているらしい。伊登の夫は藤岡慎太郎。何かを探っていて、何者かに殺されています。これが何を探っていたのか分からないのですが、何か危険な証拠物件を手に入れたのではないか、それを取り戻そうと家に侵入してきたのではないか、という筋書きです。

今回の敵は、三人白浪。

「三人白浪? なんだいそりゃァ」
赤犬の権三、御家人唐次、人斬り平太の三人組よ」
(p.200)

悪事はハッキリしているのですが、この三人が怖くて誰も証言してくれない。ということで、この三人を斬る、というのが今回のミッションになるわけです。お約束のパターンなので安心して読めます。

 

太夫の恋―はぐれ長屋の用心棒
鳥羽 亮 著
双葉文庫
ISBN: 978-4575661910