Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

結物語

今日は物語シリーズから「結物語」。4つの短編が入っていますが、この本では暦は大学を卒業して警部補になっています。

「人間、なれるものになるしかないのよ。警察官だったり、人魚だったり」
(p.20)

普通、人魚にはなれませんが、第一話「ぜんかマーメイド」に出てくる周防さんは人魚なのです。人魚といっても変身したら完全に魚になってしまうようで、何かイメージが違いますけど。アニメ映えしないような。まあでも相変わらず脱ぐシーンがあるのでいいのか【なにが】。

第二話の「のぞみゴーレム」は、かまいたちが出てくるのかな…と思わせといて、といういつものようなパターンの話ですが、この話には忍野扇が出てきます。七不思議担当ということですが、皆さんの学校には七不思議はありましたか。私の高校にはそれっぽいのがあったはずですが、戦争で死んだ生徒の亡霊は校舎を立て替えてしまったので出なくなったかもしれません。

第三話「みとめウルフ」は羽川さんが三種の神器を取り戻しに来る話です。三種の神器というのは暦が持っている、

羽川翼のブラジャーやショーツといったアンダーウェアや、文化祭の前後に切り落とされた三つ編みである。
(p.136)

そういえば、何でそんなの何年も取り返さなかったんでしょうね。タイミングは何度もあったのですが。虎が出たときとか。

第四話「つづらヒューマン」は老倉育が出てきます。役場で会計士をしています。暦は戦場ヶ原さんと大喧嘩していて、その相談をしてしまうのですが、なかなかヒドいことを言います。連発します。その理由ですが、

「願いを人に言うことで、叶わなくしようとしているのよ」
(p.190)

願いが他人に知られると成就しないというのが通説ですが、言霊信仰というのもありますからね。言葉にすることで実現してしまうような気もする。老倉メソッドは複雑です。

その後、まさかのひたぎさん帰国というイベントがあるのですが、しかしこの話のオチは一体どうなったのか気になって仕方ないですね。

 

結物語
西尾 維新 著
VOFAN
講談社BOX
ISBN: 978-4062839006