というわけで読みました。「幽落町おばけ駄菓子屋」。妖怪ものといえば水木しげるさんのマンガとか、最近だと化物語のような怪異の出てくる話とか、森見登美彦さんの作品とか、等々思い浮かびますが、こちらは多少のほほんとした感じの妖怪・幽霊が出てくるお話です。ジャンルとしてはラノベでいいのでしょうか。
生きていれば、どうにかなることもたくさんあります。
(p.119)
あの世の人に言われるとなかなか重みがあります。この言葉をいったのは水脈さんと呼ばれています。土地神様みたいなものでしょうかね?
主人公の彼方さんは半ば騙されて常世の住民になってしまいます。常世というのは東京の至るところに繋がっているという設定なのですが、交通機関を使わなくてもどこにでも行けるというのは便利ですねぇ。そういう話ではないのですが。
とりあえず、幽霊譚ではあるのですが、あまり冷や冷やした感じではない、ゆるい感じなのが面白いです。
この彼方さんのお爺さんのありがたい言葉を。
迷うなら行動しなさい。逃げれば君の知るはずだった真実を一つ、喪うことになる
(p.190)
知らなきゃよかった、ということも実際はよくある話なのですが。
幽落町おばけ駄菓子屋
蒼月 海里 著
六七質 イラスト
角川ホラー文庫
ISBN: 978-4041018590