今日は「浜村渚の計算ノート 3さつめ」です。函館旅行編【違】みたいな感じです。
あとがきには
「ちょっと今回、話が難しすぎるんじゃないの?」と思った方が少なからずいらっしゃるかもしれません。
(pp.324-325)
と作者の青柳さんが述べていますが、まあ微妙な感じだと思います。
1話目のlog10.『クレタ島・嘘つき迷宮』のネタは、パラドックス。嘘つきのパラドックスは、とあるクレタ人が「クレタ人は皆嘘ついてクレタ」とイッタみたいな話で有名なので省略します。これも出てきます。
古代ギリシャの、ゼノンさんが考えた『アキレスと亀』の話です
(p.36)
いきなりカメがアキレス腱に噛みつくパラドックスですよね【嘘】。
『床屋のパラドックス』の話を、君は知らないのか
(p.77)
これは知っていますよ。床屋には床は売ってない、ってパラドックスですよね【嘘^2】。紺屋のフジバカマ。
2話目、log100.『アイシテルの正弦』のネタは三角関数です。ストーリーはおいといて、三角関数を説明している挿絵がなかなかいいです。三角関数というと、先日、自衛隊が大ボケな仰角計算をして謝罪会見まで発展したニュースを見ましたが、そんなに難しいものなんですか、三角関数。個人的にはアレは三角関数なんて名前を付けるから国民が誤解するのであって、円関数でいいんじゃないかと思っていましたけど。
3話目、『「プラトン立体城」殺人事件』のネタはプラトン立体、正多面体です。この話はリアル殺人事件ではなく、推理小説を解き明かすという劇中劇みたいな構成になっています。近く花瓶というのはなかなかいい表現だと思います。
4話目、『武田斐三郎の街で』のネタは…何ですかね、無理数と背理法とか。NP完全問題も出てきます。このヘンのことなのでしょうか、今回はちょっと難しい。函館が舞台で五稜郭が出てきます。
「五つの張り出しがあることによって、一ヵ所が攻められたときに、隣の張り出しから援護射撃ができるだろう。防御における死角がなくなる」
(p.247)
張り出し4つだとダメなんですかね? 十字手裏剣みたいな。
浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学
青柳 碧人 著
講談社文庫
ISBN: 978-4062772518