Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

雑記

今日はちょっとプログラムに時間を取られつつ、「得手に帆あげて」をまとめていましたが、時間切れなので、ちょっと小ネタ的なものを。テレビ番組で外国が侵略してきたらどうするという質問があって、若い人が「無抵抗主義」とか「逃げる」と答えたという話で、これに本田さんが怒ります。

侵略を前にした無抵抗主義が、どれほど悲しくて辛いものか、知っているのだろうか。人間性も、民族の誇りも、そして生命さえも踏みにじられるのだ。
無条件降伏後の日本兵と、日本人居留民が、かつての満州で、どんなに非道な仕打ちを受けたか、知らないでは済まされない。これだって、無抵抗で受けたものだ。
武力侵略に対して「無抵抗主義」というのは、簡単にいえば「生きる権利」を捨てることと同じである。
(得手に帆あげて、本田宗一郎著、p.230)

このあたりの感覚は、戦争を知らないからで済まされることではないと思います。無抵抗主義というのが、殺されてもいいという意味で言っているのなら、いい覚悟だと思うわけですが、おそらくテレビ番組で「無抵抗主義」と答えた人は、抵抗しなければ殺されないとか、何か甘い妄想をしているのでしょうかね。