Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

高3から追い抜く WEB玉式 超効率勉強法

以前、ちらっと紹介した勉強法系の本。パッと見た感じ、関西系です。関西弁に抵抗感がある人はダメかも。マンガもたくさんあって、読みやすいし、内容は割と定番の通りなので、これはこれでいい味を出していると思うのですが、高3からで本当に追い抜けるのかな、という疑問はちょっとあります。もっと早くから読んでもいい本です。

勉強法というけど、勉強って何? Yahoo!知恵袋では「勉強のやり方がわからない」レベルの生徒もたくさんいるようですが、私の回答にいつも書くのは「勉強とは、必要なことを覚えて、それを使えるように練習すること」という解釈です。だから、学校に行って先生の話を聞いて黒板に書いたことをノートに写しても、何も覚えてなかったらそれは勉強ではありません。単なる時間潰しです。それを何万年やっても成績は上がりません。みたいな書き方になるのですが、

勉強するってのは問題解くことや
(p.26)

ズバっと言い切ってますけど、まあ暗記しないと解けないわけですから、集約されていますね。その通りでしょう。「ノートや教科書は勉強じゃないの?」というところでは、

素材をどんなに集めても料理って言わんのと同じで、問題を解かんことには勉強とは言わんのや!
(p.30)

こんな感じです。私の感覚だと「ノートや教科書は勉強じゃないの?」という表現にまず違和感があるのですが、会話だとこんなものでしょうか。表現力がスゴいです。で、続きがあって、

教科書や参考書は詳しすぎるねん。やから全体をやるとき、一、二回読むだけにしてあとは、基本問題集をやったあと、基本問題集のわかりにくかった部分だけ教科書や参考書で詳しく見ていく。
(p.30)

こういうことを「勉強ってどうするの」という人が読むと、なるほどと思うのかもしれません。

次のコレも眼からウロボロス【謎】でした。

復習は覚えているうちにやらなアカン!
(p.42)

そりゃそうですよね、完全に忘れたらもうそれは復習ではなく新規の学習です。このとき、問題ごと覚えろというのも賛成。

問題ごと覚えるから武器になる!
(p.43)

解答だけ覚えても威力が半減することがよくある。単語帳なんか、位置で覚えてしまう人がいる。本番で一体何の役に立つのか。

問題集は解けないからイヤだという人に対しては、

もし自力で解けたとするとそれは自分の中にもともとあった力なんやから何も成長してないことになる。わからないとき、忘れたときに答えを見て「なるほどそうか」とか「そうそう、そやったな」ってなったら成長してるねん♪
(p.49)

これも最近、知恵袋の質問に多いのですが、問題が解けないからイヤ、やりたくないという人は結構多いです。問題は解けないからやる価値があるわけです。

てな感じで、この本はかなり実践的というか、実戦的な内容です。高3からだと悠長なことを言ってられないのです。

ノートを使いながら問題を解くというアイデアは面白いですね、何も見ないで問題を解くのが普通ですが、ノートを見てもいいというのです。

①ノートのおかげで解けた
→ノートを覚える
②ノートに書いてたのに間違えた
→問題を解く
③ノートに書いてなくて間違えた
→ノートを育てる

ノートは「覚える」「育てる」という使い方をするというのがハッキリしていていい。私はよく「ノートは覚えるために書け」というのですが、育てるというのも確かにありますね。

勉強は何の役に立つかという疑問に対しては、これも定番の Answer ですが、

スポーツでもトレーニングのときは腕立て伏せをよくするけど、スポーツしているときにはそんな行動しないやろ? でも、腕立て伏せで筋肉を鍛えておくと、その筋肉は試合で役に立つ♪
それと同じで、その知識は役に立たなくても、勉強することで鍛えられた脳は、社会に出て役立つねん。
(p.129)

私の場合、「高校、大学でバスケをやって引退したら二度とバスケをしないという人にとって、バスケは無駄だったのか、いや体力が付いたじゃないか、それが社会に出て役に立つ。同じように、受験勉強をすれば、その知識が仮に後で使わないものでも、脳力が高くなって、それが後で役に立つ」みたいな話をよく回答に書きます。脳力というのは脳の力で、具体的には判断力、思考力が level up します。学校での勉強は、ちゃんと勉強をすれば、それなりに脳力を高めるような仕組みになっているのです。


高3から追い抜く WEB玉式 超効率勉強法
玉 先生 著
KADOKAWA
ISBN: 978-4046019318