Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

雑記

今日は戦中派不戦日記を100ページまで読んだ。この本はまだ戦争中、空襲の場面とか出てくるのでなかなか進めない。

まだまとめる時間もないので、1つだけシーンを紹介しておく。

疎開の空地には、何万人という避難民がのたうち回って、火の海の熱気に泣き叫んでいた。水はどこにもなかった。運び出してきた荷物に火がついて、そばの人に移った。人々はその人をつかまえて、炎の中へつきとばした。そうせずにはいられなかった。
(p.100)

昭和二十年三月十一日である。この頃は毎日のように空襲警報が鳴ってB29がわんさか飛んでくる。昨日は羅生門の話をしたが、これも極限状態なのだ。自分の命を守るのが最優先なのである。

 

戦中派不戦日記
山田 風太郎 著
角川文庫
ISBN: 978-4041356586