昨日読んだというのは、終物語の中・下の2巻。上だけ以前読んでいて、なぜか中・下は未読だったのである。今日は「上」を紹介する。
この本の主人公は、もちろん半吸血鬼の阿良々木だが、もう一人中心人物として出てくるのが老倉さん、いろいろもつれた感じの構成だが、まず忍野扇と阿良々木が謎の教室に閉じ込められる話から始まる。この話、阿良々木の半回想的な話になってるからややこしい。その扇を阿良々木に紹介したのはエロっ娘の神原。阿良々木が一人で弁当を食っているところにやってくる。
それでも人は食わねば生きていけないのだ――たとえほかに友達がいなくてもだ。
(p.24)
阿良々木はいつもは戦場ヶ原と弁当を食べているのだが、戦場ヶ原が羽川と弁当を食べに行ったので仕方なく一人で食べていたのだ。神原はほかの友達と食べればいいのに、とかグサっと突き刺さることを言う。もちろん、そんな友達がいるような阿良々木ではない。
阿良々木の回想シーンは臨時学級会から始まる。そこに出てくるクラスメートの浮飛(うきとび)を阿良々木が称して、
たぶん、学校の勉強は苦手でも、頭はいいというタイプなのだろう。
(p.96)
こんな感じの人、いますよね。頭がいいのに勉強しないから成績が悪い奴。学校あるあるかな。しかし西尾さんの話に出てくる人名って人名らしからぬものが多いので書き辛いぞ。で、この臨時学級会で一体何をしているかというと、犯人探しである。クラスの中で犯人探しなんかしたら、どうころんでもいい結果になるわけがない。その結果、
わからないことだって、決めてしまえるという現実――それに僕は絶望した。
(p.106)
ということになる。先延ばしという解法もありそうなものだが、それだと話が終わらないし。
間違ったことでも、酷いことでも、馬鹿げたことでも、多くの人がそれを肯定すれば、正しくなってしまえる
(p.118)
ま、世の中だいたいそういうものだろ。たとえば民主主義ってそうだよね。
さて、途中の話は全部端折って、最後に老倉の家に阿良々木が行くときに、羽川と忍野扇のどちらかを連れていくことになって、阿良々木がどちらか選択しなければならない。ここで羽川の必殺技が出る。
「約束するわ、阿良々木くん、私と一緒に行ってくれれば」と言ったのだ。
「おっぱいを触らせてあげる」
(p.295)
この技には傷物語のときにも一度完敗しているが、阿良々木はどうしてもこのたふんたふんに勝てない。この後バーに行って酒を飲みながら取材をしたときにこっそり録音したデータが週刊誌に流出したため国会が紛糾したというのは最近マスコミが騒いでいる通りだ。ハメられたという説もあるが、こんなのハマる方が悪い。