Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

知的戦闘力を高める 独学の技法 (7)

少し間があいてしまったが、「独学の技法」の続きである。前回は、創造性に関しての話だった。

ジョブズは、創造というものが「新しい何かを生み出すこと」ではなく、「新しい組み合わせを作ること」でしかないと指摘しています。
(p.191)

一から何かを創造するなんておこがましい、それは神の領域だ。人間の創造なんてのは、今あるものを新しく組み合わせる程度に過ぎない、ということなのである。多分。それならAIでも出来るような気もするし、何か希望【謎】が持てそうだ。

組み合わせることが基本だというのなら、創造のコツは論理的に導くことができる。とにかく組み合わせてみるのだ。数打てば当たる理論である。試行錯誤が多くなればなるほど、それだけ偶然成功する可能性も高くなる。

サイモントンによれば、科学者の論文には量と質の相関関係が存在するようです。
(p.193)

たくさん論文を書いている人ほど、優れた論文を書いている(書いたことがある)傾向が見られるというのだ。論文は少ないけど優れているとか、たくさん書いているけど凡庸とか、そういうケースは少ないのだろう。

組み合わせの数は、ストックが多いと爆発的に増える。知識が100あれば、任意の2つを使った組み合わせは4950通り。

イデアを生み出す力は前述した通り、ストックの厚みによって簡単に100倍、1000倍という開きがついてしまいます。
(p.194)

もちろん、何でも組み合わせることができるか、というとそうでもなさそうだが。ネタは多い方がいい、これは異論ないだろう。そのストックを仕入れる先としては、この本ではズバリ「本」を推奨している。書籍。今時はインターネット、というのが出てきてもおかしくないが、なぜ本なのか。

まず、本を読んでいて、気になるところがあれば必ずアンダーラインを引きます。
(p.196)

電子書籍のハイライト機能についても言及されているが、ここではアンダーラインを引けるというのが技法として重要だという主張だ。ちなみに私は本には線を引かない。付箋を貼ることはあっても、線を引かない。理由は単純である。本を閉じてしまうとどこに線を引いてあるのか分からないからだ。

さて、アンダーラインを引くと、こんな現象が。

アンダーラインを再読してみると、どうしてこんなところに線を引いたのだろうと思われるような箇所が、結構あることに気づく
(p.203)

ちなみに、今これを書いているのは、この本に付箋を貼ってある箇所を pick up している。私の場合、「どうしてこんなところに付箋を貼ったのだろう」と思うことはあまりない。ちなみに、先に引用した箇所に付箋を貼ったのは、アンダーラインじゃなくて付箋でもそういうことはあるのかな、という疑問を持ったからである。

(つづく)


知的戦闘力を高める 独学の技法
山口 周 著
ダイヤモンド社
ISBN: 978-4478103395