Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

一流の頭脳

今日は先日ちらっと紹介していた「一流の頭脳」

読んでみて、結局この本は「運動すれば脳が活性化する」ということが書かれている、それだけの本だった(笑)。以上、で閉めてしまってもいいのだが、具体的にいくつか紹介してみると、

運動によって選択的注意力と集中力が改善することがわかった。
(p.98)
運動は集中力の改善にすぐれた効き目を発揮する、副作用のまったくない薬だ。
(p.117)
毎日20~30分ほど歩くことで、うつ病を予防できて気持ちが晴れやかになる
(p.169)
週に数回ほど早足で歩いたり走ったりするだけで脳の老化が食い止められ、むしろ若返り、おまけに記憶力まで強化できる。
(p.180)
運動すると、すぐに記憶力が上がる
(p.184)
運動しながら(あるいはしてから)暗記すると、何もせずに暗記した人よりも、覚えられた単語が20%増えた
(p.185)

こんな感じで、とにかく運動すれば脳が活性化する、って茂木先生が言ってることと同じだ。運動するととにかくナイスなのだ。ただしこの本には科学的な裏づけがそれぞれちゃんと書いてあって、ニューロンがどうだとか BDNF の影響が云々、みたいな話がわんさか出てくる。しかし懐疑的な私としては、そこまで書かれると何か逆に騙されているような気分になってしまう。

とはいっても、運動すれば記憶力が上がるというのは、多くの勉強法の本で紹介されているネタであり、個人的にも体験しているので(私は受験のときに英単語を歩きながら暗記していた)、特に否定する気もない。

運動の種類によって効果が違うというのも面白い。

「暗記の能力」は筋力トレーニングではなくランニングによって高められる
(p.204)
「連想記憶」は筋力トレーニングで高まる
(p.204)

このような差があるらしい。筋トレの方が負荷が高いということと、何か関係があるのだろうか。

最後に、モーツァルトの逸話。一般にはモーツァルトは天才と認識されていて、作曲したメロディが頭の中に入っているイメージだが、

あるゆる資料は、彼が仕事とじっくり向き合い、既存の作曲法や音楽理論を取り入れて曲づくりを行ったことを伝えている。
(p.223)

確かにそういわれてみればそうだ。ちなみに、なぜ唐突にモーツァルトなのかというと、天才といわれている人でもそれ位努力しないと結果が出せないのだと言いたいようだ。凡人はもっと努力しろ、そのかわり、努力すればチャンスはやってくるのだ、という話。


一流の頭脳
アンダース・ハンセン 著
御舩由美子 翻訳
サンマーク出版
ISBN: 978-4763136732