相変わらず大変な忙しさで本どころではないんですよね。今日はオフィスから「なれるSE6」を持って帰ってきたのだが、それはおいといて、荒木町奇譚。
主人公の行原は新宿で迷子になって変な世界に入り込む。江戸の香りがするレトロな街から、どうしても元の東京に戻れない。これが京都なら森見登美彦さんの世界だ。きつねは出てこないけど、
後悔がないように生きていくなんて無理だけどな、まあ楽しく生きろよ
(p.210)
死んだ親父が出てくる。その言葉だ。刹那主義とまでは言わないけど、老後に楽するために苦しむよりは、今を楽しく生きて後のことは後、という生き方というのも江戸っ子っぽくていいんじゃないかな。でもそういう話ではないのが不思議。まあ人生そう上手くいくものじゃないという皮肉な話なのかもしれない。
荒木町奇譚
ハルキ文庫
有間カオル 著
ISBN: 978-4758441391