Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

いっちばん

これ一度書いたんですよね。「しゃばけ」シリーズの7冊目。書評がpcがクラッシュして風とともに去りました。何書いたかなぁ、思い出せない程度の文章だからもったいなくもないか。

1つ目の「いっちばん」は若だんなかスリのアリバイを崩すというミステリー。春画から何か逃げ出していたような気がしたが…。

2つ目の「いっぷく」は、若だんなの長崎屋がライバルの小乃屋と西岡屋を相手に品比べに挑む話。自慢の品を出品して票がたくさん入った店の勝ち、という勝負だが、ライバルのはずの小乃屋の跡取りの七之助がどうも挙動不審だ。アッと驚く理由があった。勝負の行方も面白い。客に来ていた武士もなかなか味がある。たくさん売れた長崎屋がいくら売れたか明かさないところに、

今日の売り上げを入れるのに、千両箱は必要か?
(p.122)

これで想像するというのが乙だね。

3つ目の「天狗の使い魔」は、若だんなが天狗に誘拐されてしまう。誘拐されたのに案外仲良くしているから不思議だ。若だんなは天狗に勝負をしかける。もちろん力や妖力ではかなわない。

お互い一つずつ問題を出し、どちらが勝つかで決めましょう。
(p.150)

知恵比べがなかなか変な展開になって面白い。天狗は狐とのバトルに発展してえらいことになるし。

4つ目は「餡子は甘いか」。菓子職人の栄吉が修行に行っている安野屋に泥棒が入る。その泥棒が天性の舌を持っていたので話がややこしくなった。栄吉は菓子屋の息子なのになぜか菓子作りがヘタすぎるので、修行に出されてしまったのである。

諦めたらその時、おしまいになる。己を疑うな。大丈夫だ
(p.202)

5つ目は「ひなのちよがみ」。超絶厚化粧だったお雛さんが、薄化粧になったとたんに男が寄ってきた(笑)。正三郎はお雛さんをかけて勝負することになる。見慣れていたら厚化粧でも分かるという筋書きになっているけど、デーモン閣下みたいな化粧で本当に見分けがつくのかな。

 

いっちばん
畠中 恵 著
新潮文庫
ISBN: 978-4101461274