Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

雑記

今日は久々に酒を結構飲んできたのでヘロヘロです。書ける状態ではないが、書かないと連投記録が途切れるので書きます。

書きたいのは本気の話。Yahoo!知恵袋の大学受験カテゴリで、死ぬ気で勉強するとか本気出すとか綺麗事を並べる質問者は後を絶たないし、死ぬ気というのはどの程度だというと、1日15時間ならまだしも12時間勉強したとか言い出す始末なのですが、先日紹介した「自警録」に、一高の入試の話が出てきます。

七月の初め、一週間ばかり続いた暑さの強い日がちょうど全国の高等学校入学の試験の定日であった。中学を卒業した四月から、以来は三度の食事も省略するほどに時を惜み、夜も眠らず、眠気がさせば眼に薄荷までさして、試験の準備に余念ない三千ちかくの青年が、第一高等学校の試験場に群り来たり、いよいよ教室に入るその刹那まで、準備を怠らぬくらいであるからして、試験以前の十日間の勉強は実に兵士の戦闘準備どころか、実戦にとりかかっているのと同じ感がする。
(自警録、p.226)

 当時は秋入学でした。最近、大学を秋入学にしようという話題があったような気がしますが、実は日本には昔は秋入学の制度があって、わざわざそれを4月に変更しているのです。引用した箇所からは、15時間どころの話ではなく、食事もしないで夜も寝ないで勉強したということが分かりますが、本当にそんなことをしたら、数日ならともかく、3か月続けると確実に死にますから、かなり演出も入っている訳ですが、それにしても昔の「死ぬ気」に比べて今の「死ぬ気」がどれだけ気が抜けたものか分かるというものです。むしろ「志抜き」と書くべきではないでしょうか。

この本、続きを書くことになっていたので、明日にでも書きたいと思います。

 

自警録
新渡戸 稲造 著
講談社学術文庫
ISBN: 978-4061585676