Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

家なき子

最近何となく読んだのだが、子供の頃にも読んだかな。炭鉱に閉じ込められるエピソードとか、覚えてない。

捨て子のレミが旅芸人のビタリスに売られて一緒に旅をする物語。ビタリスは吹雪のとき死んでしまい、そこからは一人で旅をすることになる。大学に受からないからニートになるしかないとかホザいている日本の青少年がこういう境遇に置かれたら1秒で餓死してしまうだろう。もちろん学校になんて行けないから、ビタリスが字を教えてやることになる。この時のレミの考え方が凄い。

しかし、勉強には、それにあてられる時間より、実はもっとだいじなことがあるものだ。それは、勉強に対する熱心さだ。勉強がしっかり頭に入るためには、勉強に費やす時間よりも、学ぼうとする意志がだいじなのだ。
(p.69)

レミは勉強する時間がないから、旅をしながら隙間時間に勉強しているのである。レミは字が読めるようになり、楽譜も読めるようになるのだが、その後、ひょんなことで出会ったアーサーという子供に文章暗記のコツを教えてあげる。最近は本を読めない人がいるという。文章からシーンをイメージできないというのだ。そういう人はこの本を読めばいいのでは…と思ったが、しまった、読めないか。困ったものだ。


家なき子
H マロ 著
Hector Malot 原著
福永 武彦・大久保輝臣 翻訳
河出文庫
ISBN: 978-4309461632