Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

バロン ~ 猫の男爵

猫の恩返し」というジブリ映画の原作です。残念ながら映画は見たことがありません。タイトル「バロン ~ 猫の男爵」としましたが、「~」の部分は実は猫のあしあとマークになっています。

【honto 電子書籍】バロン~猫の男爵~

車に轢かれそうになった猫を助けてあげたハルちゃん、この猫が猫王(みょうおう)様のご子息で、いろいろ有難迷惑な恩返しをされてしまう、というストーリー。

人が持つ想い…願い…
そういうものを込められ
創られた物には
いつしか
心が宿る
(p.64)

付喪神ですね。このセリフを言うのが猫の男爵バロンで、何回読んでも何者かよく分からんので理解放棄しました。あと重要なキャラはブタ猫のムタさん。本名がルナルド・ムーン。猫って月とイメージがダブりますね。この猫は人間の世界で暮らしていて、猫の世界を次のように言ってます。

俺みたいに
自分の時間を
生きられない奴の
行く所さ
(p.74)

このセリフは、俺=ムタは自分の時間を生きている、それができない奴が猫の世界に行く、という意味。ということは、猫世界は妄想とか夢の世界みたいなものか。現実逃避の行き先。ハルはそこに行って、昔飼っていた猫のユキちゃんと会います。ということは死後の世界も兼ねているのかな。ストーリー中では、

ここは
人の世界に
いられなくなった
猫の来る所…
(p.180)

となっています。


バロン―猫の男爵
柊 あおい 著
徳間書店スタジオジブリ事業本部
ISBN: 978-4197700882