Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

東大生が選んだ勉強法

勉強法なんて読み書きソロバンでいいんじゃね、と思ったりしますが、この本は東大に合格した人達が実際にやった受験勉強から勉強法を紹介しています。

【honto 電子書籍】東大生が選んだ勉強法 (東大家庭教師友の会)

普通にそうだよねというものもあるが、こんなのできるわけないとか、これで本当にいいのかとか、これでいいのだとか、いろんなヘンなのが出てくるから面白いです。「数学の難問はテレビを見ながらなんとなく」とか、普通あり得ないでしょ(笑)。まあそういうことができるから東大に合格するのかもしれませんが、とりあえず安易に真似するのは危険です。

実践的な話だと、例えば、読んで覚えるのと書いて覚えるのと、どちらが効率的か。知恵袋でもFAQですが、、この本ではどちらもアリという結論になっています。

「読んで記憶」は、本好きで物語が頭に残るタイプ向き。「書いて記憶」は、効率重視でそのための労力なら厭わないタイプ向き。そして、「五感活用記憶」は、万人向きの最終手段。
(p.35)

最終手段って何、というのはおいといて、とりあえず人によるらしい。とはいっても、何か基準が違いますね。例えば、読む方が合っているという人の話だと、

「同じ労力なら“書く”のではなく“何十回となく繰り返し読む”ことに費やす方が、私には合っていたみたいです」
(p.24)

何十回も読むんですよね。それなら何回か書いた方が早く覚えられるような気もするけど。音読して覚えるという人の場合、

読んだと同時にすぐ意味がわかるようになるまで、音読を繰り返す
(p.48)

雨が降るまで雨乞いする系のようです。

ノートの取り方は、東大的基本技があって、分かっていることは書かないとか、問題形式にするとか、有名です。確か東大生のノート的な本に出ていたと思います。この本だと、弱点ノートを作るという話が出てきます。

弱点のみをすべて、B6判ぐらいの小さめのノートにメモし、それをテスト前などに見直す
(p.62)

間違えるところだけノートに、というのは明らかに効率的ですよね。覚えているところはノートに書く必要はないでしょう。

本の読み方も面白いです。

わからないながらも読み進んでみたら、意外と理解できることに気付いた。
(p.100)

確かに、読んでいるうちに「そういうことか」と思ったりすることはあるかも。でも、それって普通、最後までわからなかったりしません?

暗記術で面白いのが、

英単語などのひたすら暗記していくものは、眠くなってきたら手がける
(p.134)

寝る前に暗記、というのは定番の勉強法ですが、眠くなってからやるというのは極端ですよね。この人はやりながら寝てしまってもいいといいます。

最悪、寝てしまっても、まあ、“取る前に1語でも覚えられたらラッキー”ぐらいの気持ちでいれば良いわけですし。
(p.135)

睡眠学習法! でも、こういうやり方だと、勉強している夢を見てしまいそうですね。

勉強で重要なのは計画。計画の立て方もなかなか理に適っているようです。

絶対にクリアできるような、ゆるめの計画にするのがコツ
(p.137)

どれ位ゆるいかというと、

一日の勉強時間の全部を計画に組み込まず、予備時間というのを設けていました。2時間の勉強をしたら1時間の予備時間、といった風に。
(p.138)

3時間を使うときに、2時間勉強で1時間をバッファってのが大胆ですよね。普通の受験生だとこんなにゆとりを大きく設定しないし、そもそも予備時間がないし、そもそも勉強しないか。ちなみにプログラマーの場合、プログラミングが1時間で2時間が予備って感じです【嘘】。


東大生が選んだ勉強法
東大家庭教師友の会 編著
PHP文庫
ISBN:9784569674957