Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

精霊の守り人

今日は夏至らしいですね。東京は朝から雨でお日様が出る気配はありません。 今日紹介するのは、ファンタジーの名作「精霊の守り人」です。順序無視派の私にしては珍しく、ちゃんと1作目から紹介できました。 小説は1996年に単行本が出た後、守り人シリーズとして約10作品が出版されています。 名作というのは、ググってみると中学校、高校の読んでおけ100冊系のリストに結構入っているし、まあ読めば間違いないです。すごく面白いです。

アニメも放送したようですが、私は見てませんでした。チラっと見たような気もしてきた。ドラマもやってます。最終章は2017年11月放送予定だとか。

宿られた者が夏至まで生きのびて、宿ったモノをたすけられれば、その者も生きのびられるだろう。
(p.37)

ファンタジーです。女用心棒バルサはひょんなことで新ヨゴ皇国の第二皇子のチャグムを連れて逃亡することになります。このチャグムが宿られた者で、夏至まで生きのびたら Win、というシナリオになっています。 なので夏至の今日、慌てて紹介したわけです。関係ないけど。

逃亡というのは、狩人と呼ばれている追手が追いかけてくるのですが、カムイ伝みたいな強者…よりは少しランクが落ちるようです。 とはいっても強敵なので、逃げるときに足手まといになるのを避けようとして、バルサはチャグムに武術を教えます。どれぐらい修行したらバルサのようになれるかといわれて、二十年という返事。ちなみにプログラマーなら15年でなれます。すぐに追いつかれそうなのにそれじゃ間に合わないだろというのですが、

やってないよりは、やってたほうが、逃げられる可能性が増すってことだよ。
(p.180)

完成させる必要はない、1つでも単語を覚えていたら、それがテストに出るかもしれない、的な発想でしょうか

このストーリーで面白いキャラといえば、やはりトロガイですね。STAR WARS だとヨーダ役です。呪術師マスターです。 いろいろ魔法も使えるようですが。どんな人かというと、

あの人は、知っていることの十分の一も話しちゃくれない人だけど、危険があるなら、おれにちゃんとそういっていたはずだよ。
(p.230)

デキる人はどこでも寡黙なようですな。


精霊の守り人
上橋 菜穂子 著
新潮文庫
ISBN: 978-4101302720