Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

もしかして彼女はレベル97

レベル99シリーズの3作目です。例によって1作目から読まないと伏線とかキャラのナニが分からないのでアレですが、どうもすみません。 しかも、この本には4つの短編が入っていますが、今回は最初の話「大人気ない大人には敵わない」の紹介だけになってしまいました。続きは後日書きます。

レベル99って何、というのは多分「とある魔術の禁書目録」に出てくる能力者レベルみたいな、というのが確か1作目の「ただし少女はレベル99」に出てきたと思うのですが、今それが手元にないので、後で確認しておきます。主人公の出屋敷市子はどんなキャラかというと、

出屋敷市子は謎の魔法少女だ。
(p.10)

登場人物紹介のところにも謎多き魔法少女と書いてありますが、いわゆる魔法少女というよりは巫女です。式神使いです。女子中学生なのでイメージ的には年齢はズレてますが「うる星やつら」のサクラさんでだいたい合ってます。ギャルというキャラではないです。

さて「大人気ない大人には敵わない」ですが、あまりに世俗に興味のない市子に、これではいかんと考えたお友達の葛葉芹香ちゃんが渋谷に行こうと誘ったところから話がややこしくなるという話です。葛葉というのも意味深な名前ですね。市子は美人なので芸能事務所とかにスカウトされると面倒になるから相手にするなとアドバイスをするあたりで、

「断りたいなら返事すんなよ、結局シカトすんのが一番手っ取り早いから」
「返事をしないのが自衛というのは、妖物の対処法のようだ」
(p.15)

事務所のスカウトは化物扱いされてますな。ちなみに、最近の渋谷はやたらテレビカメラがいますよ。朝の番組とかで使う街頭アンケートですね。まあでも、この一言でも市子がどんな暮らしをしているか分かるというものです。

市子の父親は大雅という名前なのですが、強そうな名前の割りに能力的にはヘナチョコな感じです。しかしこの話では案外活躍するんですよね。得意技は愚痴かな。それが炸裂する感じです。グチグチと細かいことを言うのがウザいし最初は読んでいて疲れるのですが、慣れてくるとそれが快感になります。大雅のセリフで、こういうのがあります。

日本人は勘違いしてるけど、人間は他人に迷惑をかけるものなんだよ、
(p.64)

真理ですな。日本人に限定しなくてもいいような気もしますが、この後、親がお金を出してくれなかった過去を愚痴ります。そういうえば最近も知恵袋で保証人が何たらという質問を見たような。

病院の入院契約書にすら“同居していない保証人”の名前を書く欄がある。同居してなくて入院費用をぽんと払ってくれる赤の他人って誰だよ。
(p.65)

そういう細かいことを言われても、ていうか、これは奨学金の話がどんどん発展してわけのわからない所に着地失敗して空中消滅する途中のセリフなんですが、トンカツを醤油で食う【謎】のはいいかもしれない。

何か時間がなくなったので、また明日でも続きを書きます。


もしかして彼女はレベル97
汀 こるもの 著
講談社ノベルス
ISBN: 978-4062990707