Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

100億稼ぐ仕事術

この本はダントツに読みやすいと思った。一気に読めるのである。そういえば、ビジネス啓蒙系の本でここまで読みやすいというのは珍しいと思うのだが、それっておかしな話だと思う。ビジネスに成功ためには人脈を確保するというプロセスが不可欠なわけで、そのために必須なのがコミュニケーション技術である。従って、本当は分かりやすいだけでなく、相手の興味を惹くような表現力も必須になるわけだ。

まあそれはそうとして、最近はTVにも出たりしているから、堀江氏を知らない人は少ないと思うけど、念のため。エッジ(*1)の社長さんである。

この本、書いてあることも分かりやすいし単純だし、理にかなっているし、読んだ人が「これなら私にもできるな」とか思うかもしれないが、実際そこがとんでもない。簡単なことほど難しいとか禅問答する気はないが、実は書いてあることが、こんな簡単な…と安易に結論が出せるような内容ではない。「やれば出来る」なんて格言もあるけど、もしここに書いてあることが実際にできる人がいるとしたら、その人は、多分高校二年から勉強して東大に入れるレベルの実力があるわけですよ(*2)。そこを勘違いして生兵法で真似したらとんでもないことになりそうな。

まあでもそこそこ成功するという目標でよければ、全部実践する必要はないのかも。

内容としては、一言でいってしまえば、メールをうまく使え、という話(*3)。すみません、はしょりすぎましたか。もっとも、メールというのは本質ではないのだが、それはおいといて、メールを1日平均5000通読んでいるというのが面白いと思った。1秒に1通読めば1時間に3600通か…。不可能ではないかもしれないが、人間としては、このあたりが限界なのだろうか。あと面白かったのは、名刺の整理は難しい、って話。

5万通読めるか、50万通読めるか、ということになるとどうだろうか、というのが気になるのである。私は。

ネタの中にはprocmail とか出てくるわけだけど、ある程度読むところまでコンピュータに任せることができたら読めるメールの数はいくらでも増える。コストカットのアイデアは無限というのが堀江氏の主張である。しかし、人件費節減といっても、最後に自分までカットするというのは想定しているだろうか?そして誰もいなくなるというのかITの究極の姿。

Cマガジンに昔書いたけど、個人的には、伝票チェックするソフトっていつかは作りたいものの一つだと。ちょびっツに出てくるのだ。人間が伝票をチェックする作業を支援するソフトはいくらでもありそうだが、パソコンが自分でチェックするソフトはまだないわけで、それができたらチェックする人をカットできると。

書評になってないナー?

(*1)
2004年に株式会社ライブドアに社名が変わった。

(*2)
堀江氏は高3から本気で入試勉強を始めたと自称している。ただし高校は東大に毎年数十名合格するようなレベルなので、普段の勉強が役に立ったことは言うまでもない。

(*3)
当時は LINE(2011年開始) も twitter(2006年開始) もなかった。 Facebook(2004年開始)が、このころ始まっている。


100億稼ぐ仕事術
堀江 貴文 著
ソフトバンククリエイティブ
ISBN: 978-4797325409

(※この書評は2004年2月21日に書評: 100億稼ぐ仕事術: Phinloda の裏の裏ページに投稿した内容を加筆・修正したものです)