Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

新・学生時代に何を学ぶべきか

今日の本は「新・学生時代に何を学ぶべきか」。

学生時代に何を学ぶべきか、という本の続編です。

このブログは最後に「今日の一言」的な、気に入ったフレーズを紹介する投稿が多いのだが、この本は全編が「今日の一言」的な内容なので閉めるのがとても難しい。

まず、ケビン・ショートさんの言葉から。

的確な批評眼を養うためにはまず、数多くの考え方や概念に触れることが必要だ。
(ケビン・ショート「好奇心を探す旅――時間はいくらでもある」p.24)

ケビンさんの言いたいのは旅をしろということで、遊びではなく自分探しというか、大学の外でないと触れることのできない世界を想定しているようです。大学を人生の夏休みという人がいますが、この夏休みは遊ぶための時間ではなく、自由研究のための時間なのです。

しかし、学問とか研究ではなく旅に出ろというのは極端すぎて面白いですね。

金にもならず、何の役にも立ちそうもないことを、ただ「おもしろい」というだけで突き詰めていけるのは、学生くらいなものではないだろうか。
(p.24)

今なら老後という選択肢があるかもしれません。もっとも、この本が出版されたのは1998年なので、2022年の今とはそれほど変わらないような気もします。

次に登場するのは久石譲さん。宮崎駿さんのアニメの音楽で有名です。久石さんにいわせれば、特に学ばなくてもいいそうです(笑)。

人間は必要に迫られた時でなければ何も身につかないし、将来役に立つと言う理由だけで勉学に励めるほど殊勝にできていない。必要は発明の母、そのときやればいい。
(久石譲「あの頃やっておくべきこと」、p.36)

しかし、「そのとき」では間に合わないというのも事実であり現実です。久石さんは、重要なのはどう生きるかだと割りきっています。もちろん正論だと思いますが、「どう生きるか」というのは学生時代に何を学ぶかで大きく違ってくるのでは。少なくとも私の場合はそうでした。大学というのが大きな分岐点になっているわけです。

久石さんには自分自身これをしておくべきだった、という反省がたくさんあるそうです。その中の一つ。

友達を大勢作るべきだった。
(p.39)

これは超同感ですね。とはいえ限度というものはあると思います。

たった4年間では出来ることも限られます。やりたいことが全てできるわけではないから仕方ない、というのが久石さんの結論のようです。

(つづく)


新・学生時代に何を学ぶべきか
講談社 編集
ISBN: 978-4062089722

雑記

今日は何かあったので雑記にします。

何があったのか私も気になっているのですが、さっきまで覚えていたのですが、忘れました。何なのか思い出せません。

という所まで書いてしばらく放置しておいたら思い出しました。HOZAN さんのパーツケースがまだ売られているという話です。ひょんなことからパーツケースを買おうと思ったのでネットで探してみたら、数十年前に無線機とか作っていた頃に使っていたのと同じタイプのケースが今もあることに気付いたわけです。

Amazon のレビュー欄にも45年前から使っているというような投稿があるので、おそらく想像していた通りのものだと思います。

東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話 (2)

今日は昨日紹介した「東大なんか入らなきゃよかった」の後半の紹介を。

第3章「東大うつ」には、死にたいという人が出てきます。読んでいて気分がダウンしていきます。一般的には、東大を出たら勝ち組というイメージだと思うのですが、

実際に東大に入っても「やりたいこと」がまったく見つからないという人も多い
(p.95)

何か目的があって入ったわけではないという時点でどこか間違っているような気がしますが、そういう人はやはり、そういうことになるようです。

この本の著者の経験談も出てくるのですが、

協賛の撤回をチラつかされながら「本の内容が気にくわない。お前の土下座が見てみたいから土下座をしてくれないか」という理不尽な要求をされた
(p.102)

壮絶な経験です。それで仕事が取れるのなら土下座なんていくらでもする、という人もいると思いますが、著者はこの理不尽さに抵抗して土下座しなかったそうです。理不尽対抗スキルは社会生活には必須なのですが、してたらどうなったのでしょうか。

第4章「東大ハード」には、月200時間超の残業という話が出てきます。

個人的には、えーと、200時間ですか、みたいな感覚です。プログラマー的には特に驚かないです。最近は違うのかな。7回読みの山口真由さんは残業300時間という話をしているし、200というはまだ余裕があるのかな、と。

キャリア官僚の生活はよく知らないのですが、

正直、定時をすぎてからが仕事の本番という感覚です。
(p.121)

何となくプログラマーと似ているような気がします。ちなみにプログラマーの残業200時間というのは取れないバグと戦う200時間だったりすると、精神が死ぬことがあります。

月の残業時間はだいたい150時間です。国会の会期中で自分の部署に関する委員会が開かれているときなどは、200時間を超えることもありますね
(p.122)

働き方改革で残業ができなくなって、残業なしで残業していた頃の仕事量をクリアするというミッションになって頓挫した、という話もあるのですが、残業200時間は流石に通常業務ではどうにもならないようです。

その後、部署が変わって残業は月100時間に減少したが、そのことで心に余裕ができ、うつ病を発症。
(p.125)

いわんこっちゃない。しかし何でそんなに忙しいのか。原因もいくつか紹介されていて、

「質問通告を故意に遅らせる野党議員がいるんです」
(p.131)

質問がうまく答えられないと国民は与党の能力がないと誤解しますからね。もうそういういやがらせ質問は全部「後でネットで回答します」でいいんじゃないか。もっとも、

今の政権与党も、野党に負けず劣らずろくでもないですけどね。
(p.137)

負けてはいないようです。これって東大卒でなくても官僚になったら誰でもそうじゃないの、と思うかもしれませんが、東大卒の官僚は優秀なので作業が集中するのだとか。

第5章「東大いじめ」には、職場でのいじめの話が。

職場にはじめて出た日、先輩に開口一番、『東大生なんやから見てたら分かるやろ』とだけ告げられてそれっきりなんです。
(p.145)

東大生はモップがけもできない、という話は有名ですね。東大生がバイトするときは、説明なしで何でもできないと駄目なのです。

さて、私の知っている東大卒の人達の8~9割は、多分皆さんがイメージしている通りのエリートコースを滞りなく進んでいるようです。あとの1~2割はどうなのかというと、簡単にいえば連絡がとれなくて何をしているか分かりません。この本に書かれているようなケースが現実的にどの程度の割合であるのかは、とりあえず謎です。

ただ、総括すると、この本に出てくる人は「東大なんか入らなきゃよかった」と本当に言いたいのかもしれませんが、じゃあ入らなかったらどうなっていたのかというと、それはそれで面白い人生になっていたような気がしないでもないす。


東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話
池田 渓 著
飛鳥新社
ISBN: 978-4864107846

東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話

今日の本は「東大なんか入らなきゃよかった」。著者の池田渓さんはもちろん東大卒。

ドラゴン桜では東大はプラチナチケット扱い、バカとブスは東大に行けというセリフが流行しました。行けばそれだけで勝ち組、みたいな印象がありますが、現実は厳しいようです。入社後に自殺するような人もいるのですから、当然、社会に出て挫折する人もいるわけです。

たかだか数年の受験勉強でクリアできる東大入試には抜群の効果を発揮した「要領の良さ」は、大学からのより専門的な学問や、社会に出てからの仕事や人間関係にはそうそう通用しない
(p.42)

要領の良さだけで合格できる所なのかな、微妙な違和感もありますが、

要領型は、何事においてもせっかちに「最短ルート」を行こうとするが、近道ばかりを選んで歩くのでは基礎体力が身に付かない。体力がないから、ますます楽な道を探そうとする。
(p.42)

何となくわかります。もしかすると著者の自己批判でしょうか?

東大生の発想がちょっと違うという話は「非進学校出身東大生が高校時代にしてたこと」を紹介した時に話題にしましたが、今回は、

あるとき、学食の同じテーブルで同じ格安380円の日替わり定食を食べていたクラスメートたちと家の話になったんだ。そしたら、A君はNECの役員の息子、B君も帝人の役員の息子、Cさんは国立大学の教授夫婦の娘だということが分かった。
(p.56)

社会的有名人の子供が同級生というのはなかなか凄い世界ですが、ちゃんと東大に入るように育てるのは流石というべきなのでしょうか。

そのような人に対して、田舎から出てきた人は肩身が狭い。だけでなく、学費免除のことを知らずにバイトしながらの学生生活を頑張ったというような話が出てきます。

存在を認識していないんだから、調べようもないよな。
(p.62)

知らないものは知らないわよ。ということですね。さらに、

学生時代に就職活動はしなかった。にわかには信じがたいことだが、就職活動というものの存在すら知らなかったのだという。
(p.63)

そこまで行くと確かに信じ難いです。ていうかこの話の本人が「情弱にもほどがある」と言っているようですが。いくら何でもそういう人は東大の中でも激レアではないでしょうか。

東大までの人、というカテゴリーがあるそうです。

『30歳までには年収1000万円欲しい』だとか『将来は経営者になりたい』といった願望だけは強いのですが、それをかなえるためにはどんな仕事に就いて、どういうふうに成功するかという具体的なビジョンがまったくもって貧困なんです。
(p.71)

知恵袋にもそういう投稿は多いですね。東大まではエリートコースで、そこから先は凡人以下、という話です。

近年、大学卒業時点でもっとも社会人として即戦力に近い実力を備えており、出世頭を務めるのは、東大でも早慶でもなく、明治大学出身で飲食アルバイトかインターンの経験のある学生だ
(p.72)

いわゆるコミュ力の差とかが原因とのことです。社会経験もモノを言ってるようです。

(つづく)


東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話
池田 渓 著
飛鳥新社
ISBN: 978-4864107846

雑記

今日はハレたり雨が降ったり止んだり雷が鳴ったりでどうにも落ち着かなかったので雑記にします。

うちのpcは移動中以外はだいたい稼働しているのですが、今日は雷の時間帯で電源を落としました。思ったほど雷雲は接近しなかったようですが。

雨が降っていないタイミングでうまく図書館に行ってきました。

あと、どこかに書いたような気もするのですが、最近どこに書いたのか分からなくなるので、とりあえず書いておきますが、数日前、寝過ごすという夢を見ました。つまり、一度起きた時点でまだ夢だったという状況です。何か用事があったのに寝過ごしてしまって、起きたら午後1時でした。困ったものです。で、困っているところで本当に目が覚めました。これは現実世界で午前6時半頃です。

20代の頃には、さらにもう一度起きる夢を見たことがありますが、これ以上ネストが深いとこの世に戻ってこれないような気がします。