Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

魔法科高校の劣等生(32) サクリファイス編/卒業編

今日は「魔法科高校の劣等生」の32巻。これで最終巻です。

ストーリーは、達也の独断先行の行動を臨時師族会議でうまく言い訳して、光宣と水波のパラサイトの件もそれなりにオチを付けて、卒業して終了、という感じです。ちょっと唐突に終わった、というか終わらせたような感じがしないでもないです。最後までアニメ化するとしたら、終盤の展開はいろいろ変わってしまうような予感が。

ということで本編と関係ないところでいくつか。弘法は筆を選ばず、ということわざがありますが、

弘法大師程の方になると持っている筆は全て一級品ばかりだから敢えて選ぶ必要はなかった
(p.79)

この説は知りませんでした。てっきり筆は一本しか持っていないのだと思っていました【違】。

最初の頃は意地の悪いイメージが先行していた葉山がちょっと雰囲気が変わったのが面白い。実は蔭のラスボス、みたいな話はないですよね。こんなセリフがあります。

世の中には強者故の弱点というものもございます。
(p.131)

必要ない相手まで敵になってしまうだけでなく、敵を引き寄せてしまうのです。

さて、今日の一言は深雪のセリフから、

世論は感情だから
(p.59)

理屈は人を動かさないのです。


魔法科高校の劣等生(32) サクリファイス編/卒業編
佐島 勤 著
石田 可奈 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4049132533

雑記

今日は税務署に行ってきたので雑記にします。

今日読んでいた本は、ソシュールです。

今更シニフィエとかシニフィアンとか学んでいるようではAIどころではないような気もしますが、少し言語学系の復習をしているところです。

私がこの種の概念を知ったのはかなり昔のことですが、その時はソシュールを知らなかったような気がします。プログラミングには call by value と call by name というのがあって、考え方としてはそれに似ているような気がするのですが。

雑記

今日はうどんを食べたので雑記にします。

このうどんは半額で売っていたので、つい買ってしまったのですが、麺が太い(笑)。これをゆでている時にはねて、熱湯が足の上に落ちました。ゆでているうどんを放置してその場を離れるわけにいかないし、さてどうしたものかと悩みました。

まあでも、うどんそのものは美味でした。

魔法科高校の劣等生(31) 未来編

今日は魔法科高校の劣等生を久しぶりに。前回は昨年12月2日に紹介しています。今回は31巻の未来編。

いろいろヤラレた感がある状況から一転、そろそろ逆転する流れに入ります。バトルはだいたい達也が一人で暴れて全滅させてしまう感じですが、四葉家の分家である新発田家の軍隊も頑張ります。

今回の見どころはバトルよりも情報操作というか裏工作的なところで、リーナとカノープスが上司のウォーカー大佐を失脚させるシーンとか、真夜が蘇我大将に情報を渡して佐伯少将を失脚させるシーンとか。

もっと気になったのは深雪が水着をオンラインで選ぶシーン。

「使用しているカタログはオンラインデータか?」
(p.105)

オンラインデータで試着してAR画像を生成するサービスを使うと、深雪の体の3Dデータがサーバーに流れてしまう、というのを達也が気にするシーンですが、今時のアプリを使っている人達ってどうなんですかね。顔のデータなんか平気でサーバーに送信しているような気がしますが、全部顔認識用に保存されているような気がしてしょうがない。

認識されたら何だという人もいそうですが、まあ、たしかにリアルタイムで誰が何処にいるか分かるだけなので、大したことはないかもしれないですね。日常生活的には支障ない。

というわけでいつもの通りでまるで紹介になっていませんが、今日の一言。

「使う機会が無い。使う能力が無い。どちらも結果は同じです」
(p.46)


魔法科高校の劣等生(31) 未来編
佐島 勤 著
石田 可奈 イラスト
ISBN: 978-4049130676

雑記

今日はスタバに行ったら満席だったので雑記にします。

しかもスーパーに行ったら特価で売っているはずのチーズが売り切れで残念な思いをしました。チーズは賞味期限が結構長いので、大量に買い占められてしまったのではないでしょうか。

チラシに載っていない商品が安かったので、そちらを買って帰りました。

雑記

今日は餃子を食べたので雑記にします。

餃子といえば、リンガーハットの餃子定食が懐かしいのですが、昔は餃子定食と生ビールを注文して、定食のライスを抜きにしてもらったものです。その方がバラで餃子とビールを頼むよりも安いのです。

新型コロナが流行してアルコール販売が中止になってからは、この技も使えなくなってしまいました。

とはいっても、別に今日リンガーハットで食べたという話ではないのですが(笑)。

文豪山怪奇譚 山の怪談名作選

今日の本は、「文豪山怪奇譚」。

山に関係する怪談などが集められています。Amazon レビューではこの人も文豪なのか…という意見もあるようですが、宮沢賢治さん、泉鏡花さん、太宰治さんあたりは文豪でいいと思います。最後に出てくる柳田國男さんの資料もなかなかいい感じです。

岡本綺堂さんの「くろん坊」は、山男との約束を破った男が呪われる話。

娘が年頃になったらば、おまえを婿にしてやるから、そのつもりで働いてくれ。
(p.42)

この種の約束を破って呪われる話は日本全国どころか世界中にありそうな気がします。人間が実社会で約束を破るものだから、それを暗に表現したい人も大勢いるという証拠なのでしょう。

本堂平四郎さんの「秋葉長光」は名刀の話。夜に登ったら誰も生きて帰った者がいないという山を荒川卓馬という豪傑が超えようとします。怪異の嵐の中で気配を感じて何かを切ったら静かになった。後で見に行くと、

何を斬ったか、硬き物は何なりしかと見廻せば、鼻のように突き出た岩の先端を見事に斬り落としてあった。
(p.68)

石を斬るというのは鬼滅の刃にも出てきます。古くは子連れ狼の拝一刀とか、円月殺法眠狂四郎も何か石を切っていたような気がしますが、実際に日本刀で石とか岩を斬った例はあるのか、というのはちょっと興味があります。

太宰治さんの「魚服記」は、人間が蛇や魚になってしまう系の怪異話です。これも至るところで伝説になっていそうなパターンです。作中に出ている三郎と八郎の話は、弟の八郎がやまべを食べて大蛇になるのですが、

兄の三郎がまだ山からかえらぬうちに、其のさかなをまず一匹焼いて食べた。食ってみるとおいしかった。二匹三匹とたべてもやめられないで、とうとうみんな食ってしまった。そうするとのどが乾いて乾いてたまらなくななった。井戸の水をすっかりのんで了って、村はずれの川端へ走って行って、又水をのんだ。のんでるうちに体中にぶつぶつと鱗が噴き出た。三郎があとからかけつけた時には、八郎はおそろしい大蛇になって川を泳いでいた。
(p.165)

言い伝えなので科学的に検証する意味はありませんが、注目したいのは、まず魚を大量に食べたこと、その後水を大量に飲んだこと、体から鱗が「ぶつぶつ」と出てくること、このあたりが注目ポイントだと思います。魚を食べ過ぎるとかかる病気があるとか、鱗のように皮膚に何か出来る現象があるとか。何か実話を示唆するようなヒントが隠れているような気がするのですが。

ただ、この作品で注目すべきはそこではなく、魚になってしまったスワの描写。

大蛇になってしまったのだと思った。うれしいな、もう小屋に帰れないのだ。
(p.171)

これだから太宰は…


文豪山怪奇譚 山の怪談名作選
東 雅夫 著
ヤマケイ文庫
ISBN: 978-4635049252