Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

はたらく魔王さま! (8) (9) (10)

今日は「はたらく魔王さま!」の8巻から10巻。ざっくりストーリーとしては、エミリアがエンテ・イスラで極秘活動中に拘束されて日本に戻ってこれなくなったので、真奥があっちの世界に遠征して奪回して戻ってくる、というストーリー。芦屋ことアルシエルも拉致されてエンテ・イスラで悪魔大元帥の地位に立たされてなぜか勇者エミリアとバトることになります。

最初にマグロナルドでデリバリーを始めるというネタが出てきます。

それで二十歳以上の従業員は原付免許が必要になって、持ってない人は原付免許に限り会社が資格取得手当でお金出してくれる
(8巻、p.40)

しかし真奥がそれに落ちるというのが面白いです。それもマークミスで。魔王なんだからカンニングとか能力でチャチャっとできないのか。ちなみに資格取得手当って実際のマクドナルドにはあるのでしょうか。

原付免許取得のエピソードは、エンテ・イスラにスクーターを持ち込んで移動手段に使うという後のシーンへの伏線となっています。もちろんエンテ・イスラは道路交通法の効力が及ばないので無免許で走っても構いません。

ということで例によってストーリーは無視してちょっといいと思った言葉を。まず鈴乃。

心配が無駄になるなら、それに越したことはないのだからな
(8巻、p.87)

いろいろ悪い状況を想定して心配しておくのがいいというのです。最悪の事態を想定するというのは開発的には基本ですよね。

もう一つ紹介。これはアシエスの言葉。アシエスって誰、といいますとアラス・ラムスの妹で、8巻で原チャの試験会場で登場します。

「赤ちゃんは『ご飯を食べよう』って思って、ご飯食ベル?」
(略)
「それをスルことと、それを自分の意志で行おうとすることと、その行動が『食べる』って呼ばれる行動だって知ることと、『食べる』ことで何が起こるのか知るまでの間には、長い時間が必要なんだヨ。
(10巻、p.61)

無意識に行動している状態と、意味を理解して意識的に行動するのとは、全然違う、ということを言っています。何かプログラミングにも適用てきそうな気がしますが、沢庵和尚は「いと高きところといと低きところは同じなり」と言っています。達人になると無意識にできてしまって最初に戻るわけです。


はたらく魔王さま! (8) (9) (10)
和ヶ原 聡司 著
029 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048915809
ISBN: 978-4048918541
ISBN: 978-4048661614