Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

キノの旅XIX the Beautiful World

今日は「キノの旅」の第19巻から。

第二話「天才の国」は、赤ちゃんが生まれたらすぐに検査して、天才の素質があったら国が引き取って育てるというシステムが出てきます。子供が天才だと判定された若夫婦は、

白い服の一団が提示した、彼等の年収に匹敵する金額を見て、満面の笑みを作りました。
(p.46)

年収に匹敵…というところで、アレっ? と思ったのですが。低くね? これはオチまで読めば納得の金額なのでした。

第五話「戦えない国」は、結構ひねった話。飛行船が出てきます。

アレを我々は、〝災厄の白い魚〟と呼んでいる。
(p.101)

リゼロに出てくる白鯨みたいな感じ?

第七話「助けに来た国」は、フォトがメインのちょっと泣かせる話です。何百年も前に移住する時、全員で移動できなくなったため、いつか必ず向えに来ると約束して島に仲間を残します。その仲間をようやく向えに行くというストーリーです。なぜ何百年も放置してしまったのか、理由はあれこれ出てきますが、

結局、誰もそんな危険を冒したくなかったのだ。私達は、〝出来ないから〟と代々言い訳してきたのだ。
(p.148)

超望遠レンズが真相を解明するというオチがリアルで凄いです。


キノの旅XIX the Beautiful World
時雨沢 恵一 著
黒星 紅白 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048654401