Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

キノの旅XVIII the Beautiful World

今日は「キノの旅」の第18巻。

まず口絵イラストノベルから。文庫本の最初に、カラーイラスト付きのショートストーリーがあるのです。「草原の話」、

ここから南東二百メートル先に見える木に、大きな板が吊るされています。ここから、パースエイダーで撃ってください
(巻頭カラー)

撃つと音が鳴るのですが、なぜ音を鳴らすのかというオチが綺麗です。

第三話「税金の国」。必要なサービスに応じて税額が変わるというアイデアは、ある意味理想的・合理的な税徴収サービスかもしれません。それを逆手にとって人を轢いてお金をもらうキノも流石です。

第八話「お金の国」に出てくるのは、とにかくお金を集める国です。

その国の人達は、完全に思い込んでいたそうですよ。〝お金さえあれば幸せになれる!〟って。だから、とにかく〝お金を! お金を!〟と、集め始めたのです
(p.1799)

お金は使ってこそ幸せになれる、といいたい訳ですが、そう簡単に終わらせてもらえないのがキノの旅なんですよね。

ということで、今回のちょっといい話は、「頭のいい人には見えないあとがき」から。


(p.253)


キノの旅XVIII the Beautiful World
時雨沢 恵一 著
黒星 紅白 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048669351