Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

キノの旅 (4) The Beautiful World

今日は「キノの旅」の4巻です。

第三話「二人の国」には面白いルールがあります。

この国では、国外から来た人が犯罪を起こしても、一日以内に出国すれば、罪には問われない
(p.36)

国外に逃げた犯人を逮捕するのが大変だから、という理由のようですが。ちなみにこの話は、こんなオチでいいのかというモノスゴイどんでん返しがあるので割と気に入っています。

第五話「仕事をしなくていい国」から一言。

人間は、人生で楽だけをしちゃいけないんだ。毎日ある程度辛い体験をしないと、だらけてしまってダメになる。
(p.87)

辛い体験をしないと、幸せな体験もできないものです。常に幸せだと気づかないからです。しかしキノのポリシーは違うようです。

人間、楽ができるときは楽をした方がいい。
(p.91)

これには賛成です。

第八話「認めている国」にも面白いルールが出てきます。

国民全員に〝自分にとって必要な人〟を投票してもらい、〝誰からも選ばれなかった人〟を国が殺すことに決めた。
(p.136)

必要な人なら何人書いても構いません。この投票で誰からも必要とされていない人は一人もいなかった、という話の流れになっています。山奥で自給自足生活とかしている人がいそうなものですが。

今の日本でコレをやったらどうなるのでしょうか。何か支払いをしている人がいたら、そのお金を受け取っている人がリストを作って投票するでしょう。生命保険に入っていれば、保険会社が投票してくれそうですね。投票しないと死ぬかもしれませんから。


キノの旅 (4) The Beautiful World
電撃文庫
時雨沢 恵一 著
黒星 紅白 イラスト
ISBN: 978-4840218443