Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

キノの旅III the Beautiful World

今日は「キノの旅」から3巻です。

第三話「同じ顔の国」。顔が同じなのはクローン人間しかいないからです。そのような国には普通にあるような親子関係が存在しないので、親子は希望によって決定することになるのですが、この場合、母性本能とかどうなるのだろうか。

どんな時でも、優しく、冷静に、無償の愛情を子供に注げる人間でなければ、親になってはいけないんです。
(p.92)

そのためには悪いことをしたらぶん殴ってしつけないといけない事もありそうですね。愛情と甘やかしは違いますから。

「生き残ろうとする意志があれば、そんなに簡単に滅びはしませんよ」
(p.96)

実際は、ある限界を超えた瞬間に急激に滅びに向かっていくような気もします。

第四話「機械人形の話」。機械人形を作った人がおかしくなってしまい、自分が機械人形だと思っている、というのはどこまで本気なのか分かりませんでした。分かりにくいときは機械人間と言ってしまえば丸くおさまりそうです【なにが】。

人間のために何かをしていないと、私達は存在する理由がありません!
(p.158)

機械人間のセリフなんですが、存在理由がなくても人間は生きていけるのです。しかし、人類が滅亡した後に、ひたすら SNS に投稿し続ける bot が生き残っているような気がするのは私だけでしょうか。SNS が存在理由になるなんて、何か残念な気もしますが。

第五話「差別を許さない国」は、差別というより言葉狩りの話ですね。「キノの旅」にも、ここはアレが使えなかったな、みたいな表現は結構あります。ピーとでも書いておけばいいのかもしれません。

ところで、次の質問。

あなたにとっての、〝本当の蒼い空〟って何?
(p.177)

青と蒼の違いはアニメでは分かりませんでした。ていうか「青い空」だとばかり思っていました。これはアニメータの表現力の問題なのでしょうか。あるいは声優の責任でしょうか。いや、私の想像力が不足しているのでしょうね。


キノの旅III the Beautiful World
時雨沢 恵一 著
黒星 紅白 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048694285