Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

でりばりぃAge

今日の本は梨屋アリエさんの「でりばりぃAge」。

主人公の真名子は13才。途中で14才になります。文庫本の裏表紙には「思春期の苦悩を瑞々しい筆致で描いた」とか書いてあるのですが、どちらかというとほんわか~もやもやした感じで、こんなことに悩んでいて大丈夫なのかと不安になってしまいます。

真名子はお父さんがゲームをしているのを見ながら、

敷かれたレールの上を走って、なにが楽しいのだろう。決められた速度、決められた時間、決められた停止線。
(p.57)

こんなことを考えています。ゲームは「電車でGO!」ですね。ダイヤ通りに走ろうとするとつまらない作業もゲームに化けるようですが、ちなみに電車の運転手さんは毎日ゲーム感覚なのでしょうか。

タイトルの「でりばりぃ」というのは、ピザをデリバリーで食べるシーンが多発するのでコレなのだと思いますが。

「アンタね、いくら無農薬野菜を使ってたって、こんなもんばっかり食べてたら早死にするんだからね」
(p.64)

別に宅配ピザを食べまくっても、そう簡単に寿命は縮まらないと思います。多分年金生活になってから貯金不足で困ります。

キャラで面白いのは、ローニンセイ。

勉強なんてしょせん自己満足の世界だから、やりたくなきゃ、やらなくていい
(p.78)

これを言ってる時点では、真名子は浪人が言ってると思っているので微塵も納得していないのですが、実は浪人じゃなくて医学部の学生なんですね。不登校ぎみではありますが。ローニンセイこと奥窪さんと、真名子の母親との会話も傑作で、

「真名子ったらイライラしてばかりで……。カルシウムが足りないのね。奥窪さんは医学生でらしたわね。カルシウムをとるにはなにを食べたらいいのかしら」
「はあ、小魚じゃないですか」
(p.197)

間違いではないと思いますが…

あるいは、真名子が死にたいと言ったら、

「死んでどうする」
「灰になる」
「灰になって、枯れ木に花でも咲かすのか」
(p.202)

染物には使えるかもしれません。


でりばりぃAge
梨屋 アリエ 著
講談社文庫
ISBN: 978-4062753777