Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

狼と香辛料

今日はアニメで「狼と香辛料」。2008年の冬アニメです。原作者は支倉凍砂さん。原作は未読ですが、Amazon レビューでは好評のようです。

アニメの公式サイトを見ようとしたら Adobe Flash のバージョンが古いと怒られました。当時は Flash Player が開発終了になるとは想定してなかったでしょう。

タイトルから中身が想像できないのでキャッチ段階で損をしているような気がします。ジャンルはファンタジー、民話といったところで、Wikipedia には舞台が「中世ヨーロッパを思わせる架空世界」となっています。狼というのは豊穣の神様です。名前はホロ。動物神が豊作を司るというのは日本的な発想でしょう。日本だと狐といったところか。

ホロと一緒に旅をするのがクラフト・ロレンス。商人なので町から町へ商品を仕入れて売りさばきます。香辛料というのはロレンスのことだそうです。実際、香辛料を扱う回もあります。

このロレンスが賢いようで結構ボロを出します。中途半端に賢いと読み易い、というのはオーバーロードで出てきたセリフですが、思慮がいまいち浅いところがあって、そこから穴が開くので大儲けしようとして騙されます。ホロは騙されないようにヒントを与えるのですが、微妙。そもそも個人の商人が大儲けできるわけがないです。リアルな社会なら騙す必要もなく、殺されておしまいでしょう。良心的な相手だと単に滅茶苦茶値切る程度で済みますが。商売のピンチをうまく切り抜けていくというのが見所になっています。

ホロがかわいい感じで描かれていて、喋り方も独特なので世界に入りやすいです。キャラ的に興味を持ったのはクロエ。ロレンスにホロを引き渡して手を組もうと持ち掛けるのですが、

約束を守ることこそ、良き商人の第一歩だ。
(第六幕)

とアッサリ拒絶されてしまいます。商人は利益を優先するという前提があり、そのために裏切っても構わないのか、約束を優先するのか、そこで二手に分かれるようです。

現実世界で勝つのは裏切る商人のような気はしますが。